
工事完了報告書の書き方:工事完了確認書との違いと提出フロー
公開日:2025.02.21
はじめに
建設工事や設備工事が終わった後には、工事完了を証明する書類を作成・提出する必要があります。代表的な書類が工事完了報告書と工事完了確認書です。これらの書類を正しく作成・提出しないと、引き渡しや支払いの手続きがスムーズに進まなかったり、後から追加的な手続きが発生するリスクがあります。本記事では、両者の違いや提出フロー、さらに「工事請負契約書」の読み方との関連性をわかりやすく解説します。

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参考記事:工事完了報告書の作成方法とは?記載方法や記入例を紹介。
参考記事(外部サイト):建設業の工事完了報告書とは|記入の項目や注意点を解説!
1. 工事完了報告書とは
工事完了報告書は、請負側(施工業者)が「工事が契約どおりに完了した」ことを発注者や上司に対して正式に報告するための文書です。以下の内容を盛り込むのが基本です。
- 工事名や工事件名
- 発注者・請負業者(施工業者)の情報
- 工事期間(着工日と完了日)
- 作業内容の概要や実績
- 工事完了日と完了理由(契約通りに完了した旨)
- 添付資料(写真、検査結果など)
- 施工業者担当者の署名や捺印
この書類は、工事の実績報告として扱われることが多く、完成後の引き渡し手続きや検査の段階で活用されます。
2. 工事完了確認書との違い
工事完了確認書は、発注者が「工事の結果を確認・検収」した事実を示す文書です。工事完了報告書が「請負業者からの報告」であるのに対し、工事完了確認書は「発注者(または受領者)の立場から、工事が完了しているのを確認した」という証拠書類です。具体的なポイントは以下のとおりです。
- 発行主体:
- 工事完了報告書→主に請負業者
- 工事完了確認書→主に発注者
- 役割:
- 工事完了報告書→工事完成の事実を報告
- 工事完了確認書→完成物を受領・検査し、問題がないかを確かめる
- 提出先や流れ:
先に工事完了報告書を請負業者が発行し、発注者が内容をチェックして問題がなければ工事完了確認書を発行する流れが一般的
3. 提出フローとポイント
- 工事完了報告書の作成
請負業者が工事完了報告書を作成。契約内容と実際の施工内容が一致しているか確認し、必要に応じて写真や検査結果を添付。 - 発注者の審査・確認
発注者が報告書を受け取り、提出された資料を元に工事の出来栄えや仕様との一致をチェック。 - 工事完了確認書の発行
発注者が完了報告に問題なしと判断した場合、工事完了確認書を発行。これにより、工事の正式な引き渡しが確定するケースが多い。 - 最終的な支払い手続き
工事請負契約書の条件に従い、完成後の支払い(残金払いや精算など)を行う。工事完了確認書は支払い請求の重要な根拠になる。
4. 工事請負契約書との関連性
工事完了報告書や工事完了確認書は、もともと工事請負契約書で定めた契約内容に基づいて作成・発行されます。契約書を読む際は、以下の点をチェックしておくとスムーズです。
- 契約書の条文で工事の完了条件を明記しているか(検査合格や書類提出など)
- 引き渡しや検査の手順、完了後の支払いタイミングがどうなっているか
- 報告書・確認書の提出先と様式が指定されていないか
- 工事 請負 契約 書 読み方: 契約書には工期、工事範囲、支払い条件、保証期間などが明文化されているので、報告書作成時にも整合性を確認する
5. 書き方の注意点
- 合意事項を正しく反映: 契約書や追加契約書があれば、そこで合意した工事範囲や仕様変更を反映させた内容を書く
- 日付や数量に誤りがないか: 工事期間や施工数量がずれるとトラブルのもと。日報や現場写真で裏づけを取りながら記載
- 客観的な根拠を示す: 写真(ビフォー・アフター)や検査結果、テストレポートなどを添付することで信頼性が高まる
- 担当者・代表者の署名捺印: 報告書の正式性を担保するために、担当部署や代表者の署名捺印を忘れずに入れる
6. まとめ
- 工事完了報告書は、請負業者が工事完成を報告する文書
- 工事完了確認書は、発注者が工事の出来を確認した事実を示す文書
- 提出フローとして、まず完了報告書→発注者の確認→完了確認書→最終支払いの流れが典型的
- 工事請負契約書の読み方と合わせて、どんな条文で完了条件や引き渡し手続きを定めているかをチェックするのが重要
これらの書類を正しく整備することで、工事のトラブル回避や支払いのスムーズ化につながります。完了報告書や完了確認書を作成するときは、契約内容と実際の施工成果との整合性をしっかり確認し、必要書類をまとめて提出しましょう。