「KYって何の略?」「KY活動の具体的な進め方は?」「KYシートの書き方がわからない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。KY(危険予知)活動は建設現場の安全を守るための基本的な取り組みであり、労働災害を未然に防ぐために欠かせません。
本記事では、KYの基礎知識・KY活動の進め方・KYシートの書き方について徹底解説します。安全書類の作成方法と併せて、現場の安全管理に役立ててください。
KYとは?
KYとは、「危険予知(Kiken Yochi)」の頭文字を取った略語です。作業前に潜在的な危険を予測し、事故を未然に防ぐための活動を指します。
建設業では「KY活動」「KYK(危険予知活動)」「KYT(危険予知トレーニング)」「KYM(危険予知ミーティング)」など、さまざまな呼び方で実施されています。
KY活動の目的
KY活動の主な目的は以下の通りです。
- 労働災害の防止:危険を事前に把握し、事故を未然に防ぐ
- 安全意識の向上:作業員一人ひとりの危険に対する感受性を高める
- チームワークの強化:全員参加で危険を共有し、安全への意識を統一
- 自主的な安全行動の促進:指示待ちではなく、自ら危険を回避する力を養う
KY活動の歴史
KY活動は、1970年代に住友金属工業(現・日本製鉄)で開発された手法が起源とされています。その後、中央労働災害防止協会によって体系化され、建設業をはじめとする多くの産業で導入されるようになりました。
KY活動の法的位置づけ
KY活動自体は法律で義務付けられているものではありませんが、労働安全衛生法に基づく安全衛生管理の一環として、多くの建設現場で実施が求められています。
元請会社の安全管理計画や、発注者からの要求事項として、KY活動の実施が条件となっているケースがほとんどです。
KY活動の種類
KY活動には、実施するタイミングや方法によっていくつかの種類があります。
①朝礼時のKY活動
毎朝の朝礼時に実施するKY活動です。その日の作業内容に基づいて、危険要因と対策を確認します。
- 実施時間:5〜15分程度
- 参加者:作業班全員
- 特徴:毎日の習慣として定着しやすい
②作業前KY(一人KY)
各作業員が作業開始前に個人で行うKYです。自分の担当作業に潜む危険を自ら考えます。
- 実施時間:1〜3分程度
- 参加者:個人
- 特徴:作業直前に危険を再確認できる
③現地KY
実際の作業場所で実施するKYです。現場の状況を見ながら危険を確認できるため、より具体的な対策が立てられます。
- 実施時間:5〜10分程度
- 参加者:作業班または関係者
- 特徴:現場の実態に即した危険予知が可能
④KYT(危険予知トレーニング)
イラストや写真を使って、危険予知能力を養うトレーニングです。教育・研修の場で実施されます。
- 実施時間:30分〜1時間程度
- 参加者:研修対象者
- 特徴:危険に対する感受性を高める訓練
KY活動の基本的な進め方(4ラウンド法)
KY活動の基本的な進め方として、「4ラウンド法(4R法)」が広く採用されています。
4ラウンド法の流れ
| ラウンド | 内容 | キーワード |
|---|---|---|
| 第1ラウンド | 現状把握:どんな危険が潜んでいるか | 「〜なので、〜して、〜になる」 |
| 第2ラウンド | 本質追究:危険のポイントは何か | 「これが危険のポイントだ」 |
| 第3ラウンド | 対策樹立:あなたならどうする | 「〜を〜する」 |
| 第4ラウンド | 目標設定:私たちはこうする | 「〜を〜しよう、ヨシ!」 |
第1ラウンド:現状把握
作業内容や作業環境から、潜在的な危険要因を洗い出すステップです。
【ポイント】
- 「〜なので、〜して、〜になる」という形式で危険を表現
- できるだけ多くの危険を挙げる
- 他の人の意見を否定しない
【例】
- 足場が濡れているので、足を滑らせて、転落する
- 資材が積み上げられているので、崩れて、下敷きになる
- 電動工具を使用するので、コードに足を引っかけて、転倒する
第2ラウンド:本質追究
洗い出した危険の中から、重要度の高い危険(危険のポイント)を絞り込むステップです。
【ポイント】
- 発生頻度と重大性を考慮して優先順位をつける
- 1〜2項目に絞り込む
- 全員の合意を得る
【例】
「足場が濡れているので、足を滑らせて、転落する」→ ◎(これが危険のポイント)
第3ラウンド:対策樹立
危険のポイントに対して、具体的な対策を考えるステップです。
【ポイント】
- 「〜を〜する」という形式で対策を表現
- 実行可能な対策を挙げる
- 複数の対策を検討する
【例】
- 足場の水たまりをふき取る
- 滑り止め付きの安全靴を履く
- 安全帯を確実に使用する
第4ラウンド:目標設定
対策の中から重点実施項目を決定し、全員で唱和するステップです。
【ポイント】
- チーム行動目標を1つ決める
- 「〜を〜しよう、ヨシ!」と全員で唱和
- 指差し呼称と組み合わせると効果的
【例】
「足場に上がる前に安全帯を確実にフックしよう、ヨシ!」
KYシートの書き方
KY活動の記録としてKYシート(危険予知活動表)を作成します。
KYシートの記載項目
| 項目 | 記載内容 |
|---|---|
| 実施日時 | KY活動を実施した日付と時刻 |
| 作業場所 | 作業を行う場所・エリア |
| 作業内容 | 当日の作業内容 |
| 参加者 | KY活動に参加した作業員の氏名 |
| 危険要因 | 洗い出した危険(第1ラウンド) |
| 危険のポイント | 重要な危険(第2ラウンド) |
| 対策 | 危険に対する対策(第3ラウンド) |
| 行動目標 | チームの行動目標(第4ラウンド) |
| リーダー確認 | 職長・リーダーの署名 |
KYシート記入例
【作業内容】外壁塗装作業(足場上での作業)
■危険要因(第1ラウンド)
- ①足場板が濡れているので、足を滑らせて、墜落する
- ②塗料缶を持って移動するので、バランスを崩して、転落する
- ③強風で足場が揺れるので、体勢を崩して、墜落する
- ④工具を落として、下にいる人に当たる
■危険のポイント(第2ラウンド)
◎ ①足場板が濡れているので、足を滑らせて、墜落する
■対策(第3ラウンド)
- 作業前に足場板の水分をふき取る
- 滑り止め付き安全靴を履く
- 安全帯を確実に使用する
- 3点支持で移動する
■行動目標(第4ラウンド)
「足場に上がる前に、安全帯をフックしよう、ヨシ!」
KY活動と関連する安全活動
KY活動は、他の安全活動と組み合わせることで、より効果を発揮します。
ヒヤリハット活動との連携
ヒヤリハットとは、事故には至らなかったものの、「ヒヤリ」としたり「ハッ」としたりした出来事のことです。
ヒヤリハット事例をKY活動に活用することで、過去の教訓を危険予知に反映できます。
リスクアセスメントとの関係
リスクアセスメントとは、作業に伴う危険性・有害性を特定し、リスクの大きさを見積もって対策の優先度を決める手法です。
KY活動が日々の現場レベルの危険予知であるのに対し、リスクアセスメントは体系的・網羅的なリスク評価です。両者を組み合わせることで、多層的な安全管理が可能になります。
指差し呼称との組み合わせ
指差し呼称(指差し確認)は、対象を指で差し、声に出して確認する手法です。KY活動の行動目標を指差し呼称と組み合わせることで、意識の定着と確認の確実性が向上します。
KY活動を効果的に行うポイント
①全員参加を徹底する
KY活動は全員が参加して意見を出し合うことが重要です。特定の人だけが発言するのではなく、一人ひとりが危険について考える習慣をつけましょう。
②マンネリ化を防ぐ
毎日同じような内容では、KY活動が形骸化してしまいます。作業内容や現場状況に応じて具体的な危険を考えることが大切です。
③短時間で集中して行う
KY活動は5〜15分程度の短時間で行います。長すぎると集中力が切れ、短すぎると十分な検討ができません。
④具体的な行動目標を設定する
「安全に作業する」のような抽象的な目標ではなく、「〜を〜する」という具体的な行動を目標にしましょう。
⑤記録を残す
KYシートに記録を残すことで、過去の事例を振り返り、同様の危険に対する対策に活用できます。
KY活動に関するよくある質問
Q1. KY活動は法律で義務付けられている?
KY活動自体は法律で直接義務付けられていません。ただし、労働安全衛生法に基づく安全管理の一環として、多くの現場で実施が求められています。元請会社の安全管理計画で義務付けられているケースがほとんどです。
Q2. KY活動はいつ実施すればいい?
朝礼時に実施するのが一般的です。その日の作業内容に基づいて危険を予知します。また、作業内容が変わるときや危険な作業の直前にも実施することが推奨されます。
Q3. KYシートは保管する必要がある?
法的な保管義務はありませんが、一定期間(1〜3年程度)保管することが推奨されます。過去の事例を参照したり、事故発生時の記録として活用できます。
Q4. 一人で作業する場合もKYは必要?
一人KY(セルフKY)として実施することが推奨されます。作業前に自分で危険を考え、対策を確認することで、事故のリスクを低減できます。
まとめ
本記事では、KYの基礎知識・KY活動の進め方・KYシートの書き方について解説しました。
KY活動のポイント(まとめ):
- KYとは:危険予知(Kiken Yochi)の略。作業前に危険を予測し、事故を防ぐ活動
- 4ラウンド法:現状把握→本質追究→対策樹立→目標設定の4ステップで進める
- 効果的な実施:全員参加、マンネリ化防止、具体的な行動目標の設定が重要
- 記録:KYシートに記録し、過去の事例を活用する
KY活動は労働災害を防ぐための基本的かつ効果的な取り組みです。毎日の習慣として継続し、安全な現場づくりを目指しましょう。
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