「但し書きって何を書けばいい?」「領収書の但し書きに決まりはある?」「見積書にも但し書きは必要?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。但し書きは取引内容を明確にする重要な項目であり、経費処理や税務上のトラブルを防ぐために正しく記載する必要があります。
本記事では、但し書きの基礎知識・領収書と見積書での書き方・建設業での具体例について徹底解説します。建設業の見積書を書く方法と併せて、正しい書き方を理解しましょう。
但し書きとは?
但し書き(ただしがき)とは、領収書や見積書などの書類において、取引内容や金額の内訳を補足説明する記載のことです。「但し、〇〇として」という形式で記載されることが多いため、「但し書き」と呼ばれます。
但し書きの役割
- 取引内容の明確化:何に対する支払いかを明らかにする
- 経費処理の根拠:経理担当者が適切な勘定科目で処理できる
- 税務調査への対応:取引の正当性を証明する証拠となる
- トラブル防止:後日の認識違いや紛争を防ぐ
但し書きが必要な書類
但し書きは、主に以下の書類で使用されます。
- 領収書:代金を受け取ったことを証明
- 見積書:取引条件や除外事項を補足
- 請求書:請求内容の補足説明
- 契約書:契約条件の例外や補足事項
領収書の但し書きの書き方
領収書の但し書きは、何に対する支払いかを具体的に記載することが重要です。
領収書の但し書きの基本形式
領収書の但し書きは、以下の形式で記載します。
「但し、〇〇として」
〇〇の部分に、取引内容を具体的に記載します。
建設業でよく使う但し書きの例
| 取引内容 | 但し書きの例 |
|---|---|
| 工事代金 | 但し、〇〇邸新築工事代金として |
| 工事代金(一部) | 但し、〇〇工事代金の一部として |
| 着手金 | 但し、〇〇工事着手金として |
| 中間金 | 但し、〇〇工事中間金として |
| 残金 | 但し、〇〇工事残金として |
| 追加工事 | 但し、〇〇追加工事代金として |
| 材料費 | 但し、建築資材代金として |
| 外注費 | 但し、〇〇工事外注費として |
| 設計料 | 但し、〇〇設計料として |
| 諸経費 | 但し、〇〇工事諸経費として |
「お品代」はNG?
「但し、お品代として」という記載は、取引内容が不明確なため避けるべきです。
【問題点】
- 何を購入したか分からない
- 適切な勘定科目で処理できない
- 税務調査で指摘を受ける可能性
- 経費として認められないリスク
建設業では特に金額が大きくなるため、具体的な工事名や内容を記載することが重要です。
領収書の但し書きの注意点
①具体的に記載する
- ✕「工事代金として」
- ○「〇〇邸外壁塗装工事代金として」
②分割払いの場合は明記する
- 「着手金」「中間金」「残金」など、支払いの段階を明記
- 全体金額と支払い済み金額が分かるとより良い
③消費税の記載
- 税込・税抜を明記する
- インボイス制度対応の場合は登録番号も記載
見積書の但し書きの書き方
見積書における但し書きは、見積条件や除外事項を補足説明する役割があります。工事請負契約書を締結する前提として、条件を明確にしておくことが重要です。
見積書の但し書きの種類
見積書の但し書きには、主に以下の種類があります。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 見積条件 | 見積金額の前提となる条件 |
| 除外事項 | 見積金額に含まれない項目 |
| 有効期限 | 見積書の有効期間 |
| 支払条件 | 代金の支払い方法・時期 |
| 工期 | 工事の予定期間 |
| 特記事項 | その他の注意事項 |
見積書の但し書きの具体例
【見積条件の例】
- 本見積は現地調査に基づき作成しております
- 本見積は〇〇年〇月〇日時点の単価に基づきます
- 材料費は市況により変動する場合があります
- 施工条件は図面および仕様書に準じます
【除外事項の例】
- 既存設備の撤去・処分費は含まれておりません
- 電気・水道等のインフラ引込工事は別途となります
- 地中障害物の撤去費用は含まれておりません
- 近隣対策費・騒音対策費は含まれておりません
- 官公庁への申請手数料は別途となります
- 消費税は別途申し受けます
【有効期限の例】
- 本見積の有効期限は発行日より30日間とさせていただきます
- 見積有効期限:〇〇年〇月〇日まで
【支払条件の例】
- お支払い条件:契約時30%、中間時30%、完成時40%
- お支払い方法:銀行振込(振込手数料はお客様負担)
- お支払い期限:請求書発行日より30日以内
【工期の例】
- 工期:着工より約〇〇日間(天候等により変動する場合があります)
- 施工時期は別途ご相談の上、決定いたします
【特記事項の例】
- 本工事には〇年間の保証が付きます
- 施工中は駐車場をお借りする場合があります
- 現場状況により追加工事が発生する場合は、事前にご相談いたします
見積書の但し書きの書き方のポイント
①トラブル防止を意識する
「聞いていない」「含まれていると思った」というトラブルを防ぐため、除外事項は明確に記載します。
②お客様目線で分かりやすく
専門用語を避け、お客様が理解できる言葉で記載します。
③箇条書きで整理する
複数の条件がある場合は、箇条書きで見やすく整理します。
請求書の但し書き
請求書における但し書きは、請求内容を補足説明する役割があります。
請求書の但し書きの例
- 〇〇工事代金(契約金額の一部)として
- 〇〇工事完了に伴う残金として
- 〇〇追加工事代金として(変更契約書第〇号に基づく)
- 〇月分出来高払いとして
但し書きとインボイス制度
2023年10月から開始されたインボイス制度(適格請求書等保存方式)では、領収書や請求書の記載要件が厳格化されています。
インボイスに必要な記載事項
- 適格請求書発行事業者の氏名・名称および登録番号
- 取引年月日
- 取引内容(軽減税率の対象である旨)
- 税率ごとに区分した対価の額および適用税率
- 税率ごとに区分した消費税額
- 書類の交付を受ける事業者の氏名・名称
但し書きは「取引内容」に該当するため、具体的な記載が必要です。「お品代」のような曖昧な記載では、インボイスの要件を満たさない可能性があります。
但し書きに関するよくある質問
Q1. 但し書きは必ず「但し」で始めなければならない?
いいえ、形式に決まりはありません。「但し、〇〇として」という形式が一般的ですが、「〇〇代金」「〇〇工事費」などの記載でも問題ありません。重要なのは取引内容が明確に分かることです。
Q2. 但し書きを空欄にしてもいい?
避けるべきです。但し書きが空欄の領収書は、経費処理や税務調査で問題になる可能性があります。取引内容を必ず記載しましょう。
Q3. 但し書きを後から書き加えてもいい?
領収書の発行者が書き加える場合は問題ありません。ただし、受領者が勝手に書き加えることは文書偽造となる可能性があるため、絶対に行ってはいけません。
Q4. 見積書の但し書きはどこに書く?
一般的には、見積書の下部(備考欄・特記事項欄)に記載します。金額欄の近くに記載する場合もあります。見やすい位置に配置しましょう。
まとめ
本記事では、但し書きの基礎知識・領収書と見積書での書き方・建設業での具体例について解説しました。
但し書きのポイント(まとめ):
- 但し書きとは:取引内容や条件を補足説明する記載
- 領収書の但し書き:「但し、〇〇工事代金として」など具体的に記載
- 見積書の但し書き:見積条件・除外事項・有効期限などを明記
- 注意点:「お品代」は避け、具体的な内容を記載する
但し書きは経費処理やトラブル防止のために重要な項目です。正しい書き方を理解し、適切な書類作成を心がけましょう。
関連記事
書類作成を効率化|Anymore施工管理
見積書や請求書の作成・管理には、施工管理アプリの活用がおすすめです。
Anymore施工管理は、中小建設会社向けの次世代型施工管理アプリです。
- ✅ 業界唯一のLINE連携で、現場からの報告がスムーズ
- ✅ 書類管理機能で、見積書・請求書を一元管理
- ✅ 初期費用0円、外部メンバー費用0円でトータルコストを抑えられる
- ✅ 月額15,000円〜と中小企業でも導入しやすい価格
- ✅ 1ヶ月の無料トライアルで全機能を試せる
書類作成から現場管理まで、業務効率化を実現できます。まずは無料トライアルで、実際に機能をお試しください。
