「ISO9001って何?」「建設業で取得するメリットは?」「認証取得にはどのくらい費用がかかる?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。ISO9001は品質マネジメントシステムの国際規格であり、建設業では経審の加点や公共工事の入札で有利になるなど、さまざまなメリットがあります。
本記事では、ISO9001の基礎知識・建設業での認証取得メリット・取得の流れと費用について徹底解説します。経審対策と併せて、認証取得を検討してみましょう。
ISO9001とは?
ISO9001とは、国際標準化機構(ISO:International Organization for Standardization)が定めた品質マネジメントシステム(QMS:Quality Management System)の国際規格です。
組織が顧客に提供する製品やサービスの品質を継続的に向上させるための仕組み(マネジメントシステム)を構築・運用するための要求事項を定めています。
ISOとは
ISO(国際標準化機構)は、スイスのジュネーブに本部を置く非政府組織で、世界共通の国際規格を策定しています。ISO規格には以下のようなものがあります。
- ISO9001:品質マネジメントシステム
- ISO14001:環境マネジメントシステム
- ISO45001:労働安全衛生マネジメントシステム
- ISO27001:情報セキュリティマネジメントシステム
品質マネジメントシステム(QMS)とは
品質管理を組織的・継続的に行うための仕組みが品質マネジメントシステム(QMS)です。ISO9001では、以下の7つの原則に基づいてQMSを構築します。
| 原則 | 内容 |
|---|---|
| ①顧客重視 | 顧客の要求事項を満たし、期待を超えることを目指す |
| ②リーダーシップ | 経営者がリーダーシップを発揮し、方向性を示す |
| ③人々の積極的参加 | 全員が品質向上に参加する |
| ④プロセスアプローチ | 業務をプロセスとして管理する |
| ⑤改善 | 継続的な改善を行う |
| ⑥客観的事実に基づく意思決定 | データや情報に基づいて判断する |
| ⑦関係性管理 | 外部の利害関係者との関係を管理する |
PDCAサイクルとの関係
ISO9001はPDCAサイクルの考え方を基本としています。
- Plan(計画):品質目標を設定し、実現のための計画を立てる
- Do(実行):計画に基づいて業務を実施する
- Check(評価):結果を測定・評価する
- Act(改善):評価結果に基づいて改善する
このサイクルを継続的に回すことで、品質の向上を図ります。
建設業でISO9001を取得するメリット
建設業でISO9001を取得することには、多くのメリットがあります。
①経審(経営事項審査)で加点される
公共工事の入札に必要な経営事項審査(経審)において、ISO9001の認証取得はW点(社会性等)の加点対象となります。
| 項目 | 加点 |
|---|---|
| ISO9001のみ取得 | 5点 |
| ISO14001のみ取得 | 5点 |
| ISO9001・ISO14001両方取得 | 10点 |
経審の点数は公共工事の受注に直結するため、大きなメリットと言えます。
②公共工事の入札で有利になる
多くの自治体では、入札参加資格審査や総合評価落札方式において、ISO9001の取得を加点要素としています。
- 入札参加資格の格付けで有利
- 総合評価方式の技術評価点で加点
- 一部の発注機関ではISO取得を入札条件にしている場合も
③品質管理体制が強化される
ISO9001の導入により、社内の品質管理体制が整備されます。
- 業務プロセスの標準化・文書化
- 品質目標の明確化
- 不具合の予防・早期発見
- 継続的な改善活動
結果として、施工品質の向上やクレームの減少につながります。
④企業の信頼性・イメージが向上する
ISO9001は国際的に認知された規格であり、取得していることで企業の信頼性が高まります。
- 顧客からの信頼獲得
- 取引先の開拓
- 大手ゼネコンとの取引条件
- 採用活動でのアピール
⑤業務の効率化につながる
業務プロセスを見直し、標準化することで効率化が図れます。
- 無駄な作業の削減
- 手戻りの減少
- コスト削減
- 生産性の向上
ISO9001認証取得の流れ
ISO9001の認証取得には、一般的に6ヶ月〜1年程度の期間が必要です。
認証取得までのステップ
【STEP1】準備・体制構築(1〜2ヶ月)
- 経営者のコミットメント(取得の決定)
- ISO推進チームの編成
- コンサルタントの選定(必要に応じて)
- 認証機関の選定
【STEP2】現状分析(1ヶ月)
- 現在の業務プロセスの洗い出し
- ISO9001の要求事項との差異分析(ギャップ分析)
- 課題の特定
【STEP3】文書作成・システム構築(2〜4ヶ月)
- 品質方針・品質目標の策定
- 品質マニュアルの作成
- 業務手順書・規定類の作成
- 記録様式の整備
【STEP4】運用・教育(2〜3ヶ月)
- 従業員への教育・研修
- QMSの運用開始
- 記録の蓄積
【STEP5】内部監査(1ヶ月)
- 内部監査員の養成
- 内部監査の実施
- 不適合事項の是正
【STEP6】マネジメントレビュー
- 経営者による見直し(マネジメントレビュー)の実施
- 改善点の特定と対応
【STEP7】審査・認証取得(1〜2ヶ月)
- 第一段階審査(文書審査)
- 第二段階審査(現地審査)
- 審査結果の判定
- 認証書の発行
ISO9001認証取得の費用
ISO9001の認証取得には、以下のような費用がかかります。
費用の目安
| 費用項目 | 金額の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| コンサルティング費用 | 50〜200万円 | 自社対応なら不要 |
| 審査費用(初回) | 50〜100万円 | 認証機関・規模による |
| 審査費用(維持) | 20〜50万円/年 | サーベイランス審査 |
| 審査費用(更新) | 40〜80万円/3年 | 3年ごとの更新審査 |
| 教育・研修費用 | 10〜30万円 | 内部監査員養成など |
従業員数50名程度の建設会社の場合、初年度は100〜300万円程度、維持費用として年間30〜60万円程度が目安となります。
費用を抑えるポイント
- コンサルタントなしで自社対応:経験者がいれば可能
- 複数の認証機関から見積もり:審査費用は機関によって異なる
- ISO14001との統合審査:両方取得する場合は割引あり
- 補助金・助成金の活用:自治体によっては取得支援制度あり
ISO9001と建設業許可の関係
建設業許可の取得にISO9001は必須ではありませんが、取得していることで管理体制の充実をアピールできます。
また、大手ゼネコンの協力会社になる際に、ISO9001の取得を条件としている場合もあります。
ISO9001に関するよくある質問
Q1. ISO9001の有効期限は?
ISO9001の認証は3年間有効です。3年ごとに更新審査を受ける必要があります。また、毎年1〜2回のサーベイランス審査(維持審査)を受けて、継続的にQMSが機能していることを確認します。
Q2. 小規模な建設会社でも取得できる?
取得可能です。従業員数に関わらず、QMSを構築・運用できれば認証を取得できます。小規模企業向けにシンプルな仕組みで運用する方法もあります。
Q3. ISO9001とISO14001は同時に取得できる?
同時取得が可能です。ISO9001(品質)とISO14001(環境)を統合したマネジメントシステムを構築し、統合審査を受けることで効率的に取得できます。経審でも両方取得すると10点の加点があります。
Q4. 認証を維持できなくなったらどうなる?
サーベイランス審査や更新審査で重大な不適合が是正されない場合、認証が取り消されることがあります。認証が取り消されると、経審の加点もなくなります。
まとめ
本記事では、ISO9001の基礎知識・建設業での認証取得メリット・取得の流れと費用について解説しました。
ISO9001のポイント(まとめ):
- ISO9001とは:品質マネジメントシステムの国際規格
- 建設業でのメリット:経審で5点加点、公共工事の入札で有利、品質管理体制の強化
- 取得期間:6ヶ月〜1年程度
- 費用:初年度100〜300万円、維持費30〜60万円/年が目安
- 有効期限:3年(毎年のサーベイランス審査あり)
ISO9001の取得は、公共工事の受注拡大や企業の信頼性向上につながります。経審対策や品質管理体制の強化を検討している建設会社は、ぜひ認証取得を検討してみてください。
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