危険予知活動(KY活動)とは?実施例・進め方・ポイントを解説!
公開日:2025.01.17
▼ 目次
[1] 危険予知活動(KY活動)とは?リスクアセスメントとの違い
危険予知活動(KY活動)は、建設業や電気工事など、危険が伴う現場での作業において、潜在的な危険を予測し、その対策を作業員全員で共有する取り組みです。事故やトラブルを未然に防ぐことを目的とし、日常的な「作業前ミーティング」の一環として実施されます。これにより、安全性の向上だけでなく、作業効率や品質の向上にも寄与します。
一方で、リスクアセスメントとの違いは、「実施タイミング」と「範囲」にあります。リスクアセスメントは、計画段階でリスクを特定し管理する長期的な取り組みですが、KY活動は主に作業直前に行われ、具体的な作業手順や現場の状況を基にした実践的な活動です。このように、KY活動は「現場に即したリアルタイムの安全対策」として、日々の業務の中で大きな役割を果たします。
[2] KY活動の基本フローと進め方
KY活動は以下の5つのステップで進められます。それぞれのステップで重要なポイントを押さえることで、効果的な活動が可能となります。
1. 作業内容の確認
当日の作業内容を全員で共有します。具体的な作業手順や使用する機材、作業環境を明確にし、全員が同じ認識を持つことが重要です。
例:塗装作業の場合
- 作業箇所:足場の3階部分
- 使用する機材:スプレーガン、塗料(揮発性あり)
- 作業環境:屋外、足場の安定性が必要
2. 危険要因の予測
作業内容に基づき、潜在的な危険要因を洗い出します。危険要因は、作業環境や使用機材、作業員の動きから発生する可能性があります。
危険要因の例
- 足場作業:転倒や滑落のリスク
- 塗料の使用:揮発性化学物質による中毒
3. 対策の検討と策定
特定した危険要因に対して、具体的かつ実現可能な対策を立案します。ここでのポイントは、簡潔でわかりやすい内容にすることです。
対策例:塗装作業
危険要因 | 対策 |
---|---|
足場の転倒 | 足場の点検、安全帯の装着 |
揮発性化学物質 | 換気の確保、防毒マスクの着用 |
4. 作業員全員での共有
危険要因と対策を全員で共有します。作業開始前に、ミーティングやKYシートを活用して、全員が内容を理解しているか確認します。
5. 実施後の振り返り(必要に応じて)
活動の結果を振り返り、改善点や次回以降の注意点を共有します。これにより、KY活動の質を高めることができます。
[3] KY活動を効率化するツール:KYシートとアプリ
KYシートの活用方法
KYシートは、KY活動の記録や共有を行うための基本ツールです。作業内容、危険要因、対策を整理しやすいフォーマットで、作業員全員が確認できる形で残します。
KYシートの例(塗装作業)
作業内容 | 危険要因 | 対策 |
---|---|---|
足場での塗装 | 足場の転倒、滑落 | 安全帯の装着、足場の点検 |
塗料の使用 | 揮発性化学物質の吸入 | 防毒マスク、換気の徹底 |
デジタルツールでさらに効率化
近年では、アプリやクラウドを活用したKY活動の効率化が進んでいます。例えば、Anymore施工管理のような施工管理(現場管理)アプリを活用すれば、KY活動を効率化することができ、形骸化を防ぐことができます。
Anymore施工管理の主なメリット
- 現場ごとの申し送り事項がLINEで共有される
- 過去に発生したトラブルが現場ごとに保存され、原因・対策を確認することができる
アプリの導入により、活動効率が飛躍的に向上し、紙媒体での手間を削減できます。
[4] KY活動の課題と改善ポイント
課題1:活動の形骸化
日々の業務に追われる中で、KY活動が「形式だけのもの」になってしまう現場も少なくありません。この課題を解決するには、作業員全員が主体的に参加できる工夫が必要です。
改善案
- ミーティングを短時間で実施し、現場の負担を軽減
- デジタルツールを活用して効率化
課題2:時間不足による省略
現場が忙しい時ほど、KY活動が後回しになりがちです。しかし、効率化されたKY活動であれば短時間でも効果的に実施可能です。
改善案
- Anymore施工管理を活用し、効率的なKY活動を実現
- シート記入や共有をオンライン化し、時間を節約
[5] まとめ
危険予知活動(KY活動)は、現場の安全性向上と効率的な作業進行に欠かせない取り組みです。その効果を最大限に引き出すためには、作業内容の確認から危険要因の共有、対策の実施まで、一連のプロセスをしっかりと進めることが重要です。また、Anymore施工管理のような専用アプリを導入することで、活動の効率化や品質向上が期待できます。現場の安全を守るために、KY活動の実践をさらに強化していきましょう。