赤伝とは?

赤伝とは?【建設業】意味・赤伝処理の方法・違法になるケースを解説

「赤伝って何?」「赤伝処理は違法なの?」「どう処理すればいいの?」とお悩みの建設業の経理担当者や現場担当者も多いのではないでしょうか。赤伝処理は建設業の請求書や下請代金の支払いで頻繁に使われる処理方法ですが、正しく理解していないと建設業法違反になるリスクがあります。

本記事では、赤伝の意味・赤伝処理の方法・建設業法違反にならないための注意点を徹底解説します。元請・下請の双方が知っておくべき実務で使える知識をお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

赤伝とは?

赤伝(あかでん)とは、「赤伝票」の略称で、すでに計上した伝票を取り消す際に発行する伝票のことです。「赤伝」と呼ばれるのは、かつて取り消し処理を赤字で記入していたことに由来します。

一般的な経理では、返品処理や金額の誤りを修正する際に赤伝を使います。現在は会計ソフトでの処理が主流ですが、「赤伝を切る」「赤伝処理」といった表現は今でも広く使われています。

建設業における赤伝処理とは

建設業界では、赤伝処理は少し異なる意味で使われます。建設業における赤伝処理とは、元請業者が下請業者への支払代金から、諸経費を差し引いて(相殺して)支払うことを指します。

具体的に差し引かれる費用には、以下のようなものがあります。

  • 安全衛生保護具等の費用:ヘルメット、安全帯、作業服などの貸与費用
  • 振込手数料:下請代金を振り込む際の銀行手数料
  • 建設廃棄物の処理費用:工事で発生した産業廃棄物の運搬・処理費用
  • その他諸費用:駐車場代、弁当ごみの処理費用、安全協力会費など

赤伝と黒伝の違い

経理用語では、伝票は色で区別されることがあります。

伝票の種類意味用途
黒伝(黒伝票)通常の伝票売上や仕入れなど、通常の取引を記録
赤伝(赤伝票)取り消し・修正用の伝票返品、値引き、金額誤りの修正など

黒伝で計上した内容を取り消す場合に赤伝を発行し、相殺することで帳簿上の数字を正しく修正します。

赤伝処理の流れ

赤伝処理の基本的な流れを、一般的な経理処理と建設業特有の処理に分けて解説します。

一般的な赤伝処理の流れ

  1. 取り消しが必要な事象の発生:返品、値引き、金額誤りなど
  2. 赤伝票の作成:元の伝票と同じ内容で、金額をマイナス(または赤字)で記入
  3. 相殺処理:元の黒伝と赤伝を相殺して、帳簿を修正
  4. 必要に応じて再計上:正しい金額で新たな伝票を発行

建設業における赤伝処理の流れ

  1. 事前協議:元請・下請間で差し引く費用の内容・金額について協議
  2. 合意形成:双方が納得した上で合意を得る
  3. 書面への明記見積書や契約書に差引内容・算定根拠を明記
  4. 支払い時の相殺:下請代金から合意した費用を差し引いて支払い
  5. 記録の保管:処理内容を書面で記録・保管

赤伝処理が建設業法違反になるケース

赤伝処理自体は違法ではありません。しかし、適切な手続きを踏まないと建設業法違反となる可能性があります。

違反となる3つのケース

①協議・合意なしに一方的に差し引く場合

元請業者が下請業者との協議や合意なく、一方的に費用を差し引くことは建設業法第18条(請負契約の原則)に違反するおそれがあります。

違反事例:

  • 安全衛生保護具の費用を事前説明なく下請代金から差し引いた
  • 振込手数料を合意なく下請業者負担とした
  • 廃棄物処理費用を一方的に請求した

②根拠が不明瞭な費用を差し引く場合

差し引く費用の根拠が不明確な場合も違反となります。「協力費」「販促費」など、名目や算定根拠が曖昧な費用を下請代金から差し引くことは認められません。

③実費を超える金額を差し引く場合

実際にかかった費用(実費)より過大な金額を差し引くことも違反です。例えば、廃棄物処理費用が5万円だったのに10万円を差し引くといったケースが該当します。

関連する建設業法の条文

条文内容赤伝処理との関係
第18条請負契約の原則対等な立場での合意に基づく公正な契約が必要
第19条契約書面の記載事項赤伝処理の内容を契約書に明記する必要
第19条の3不当に低い請負代金の禁止赤伝処理により原価を下回る代金になる場合は違反
第20条第4項見積条件の明示赤伝処理の内容を見積条件に明示する必要

赤伝処理のトラブルを防ぐ3つのポイント

赤伝処理によるトラブルを防ぐために、以下の3つのポイントを押さえましょう。

①元請・下請間で十分に協議・合意する

赤伝処理を行う場合は、必ず事前に協議を行い、双方が納得した上で合意を得ることが必要です。

協議すべき内容:

  • 差し引く費用の項目
  • 差引額の算定根拠
  • 支払い時の処理方法

一方的な通告ではなく、対等な立場で協議することが重要です。

②見積書・契約書に明記する

赤伝処理の内容は、見積書と契約書の両方に明記する必要があります。どちらか一方でも記載漏れがあると建設業法違反となります。

明記すべき内容:

  • 差し引く費用の項目と金額
  • 算定根拠(単価×数量など)
  • 差し引きのタイミング

③差引額を適正に設定する

差し引く金額は、実費に基づいた適正な金額とする必要があります。

  • 実費を超える金額を差し引かない
  • 差し引きによって下請代金が原価を下回らないようにする
  • 下請業者に過剰な負担を強いない

赤伝処理の仕訳例

赤伝処理の会計仕訳について、具体例を紹介します。

一般的な赤伝処理(返品の場合)

【元の仕訳(黒伝)】

売掛金 100,000円 / 売上 100,000円

【取り消し仕訳(赤伝)】

売上 100,000円 / 売掛金 100,000円

赤伝を起こすことで、元の仕訳が相殺され、帳簿上の数字が修正されます。

建設業の赤伝処理(諸経費の相殺)

【下請代金100万円から廃棄物処理費5万円を差し引く場合】

元請側の仕訳:

外注費 950,000円 / 普通預金 950,000円
外注費 50,000円 / 未払金 50,000円(廃棄物処理費相殺)

まとめ

本記事では、赤伝の意味・赤伝処理の方法・建設業法違反にならないための注意点を解説しました。

赤伝処理のポイント(まとめ):

  • 赤伝とは:取り消し・修正用の伝票。建設業では下請代金から諸経費を差し引く処理を指す
  • 赤伝処理自体は違法ではない:適切な手続きを踏めば問題なし
  • 違反となるケース:協議なしの一方的な差し引き、根拠不明瞭な費用、実費超過
  • トラブル防止のポイント:事前協議・合意、見積書・契約書への明記、適正な金額設定

赤伝処理は、元請・下請間の信頼関係に基づいた適正な取引が前提です。一方的な処理は法令違反となるだけでなく、取引関係の悪化にもつながります。双方が建設業法を理解し、公正な取引を心がけましょう。

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