「粗利率ってどうやって計算するの?」「建設業の粗利率の平均はどのくらい?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。粗利率は工事の収益性を判断する重要な指標であり、経営判断に欠かせません。
本記事では、粗利率の計算方法・建設業の平均値・利益改善のポイントについて徹底解説します。粗利率の計算式を正しく理解し、適正な利益確保を目指しましょう。
粗利率とは?
粗利率(あらりりつ)とは、売上高に対する粗利益(売上総利益)の割合を示す指標です。売上総利益率とも呼ばれ、企業の収益性を測る基本的な指標のひとつです。
建設業においては、工事の請負金額から原価を差し引いた利益の割合を指し、工事ごとの収益性を判断する際に活用されます。
粗利と粗利率の違い
混同されやすい「粗利」と「粗利率」の違いを整理しておきましょう。
| 項目 | 粗利(粗利益) | 粗利率 |
|---|---|---|
| 定義 | 売上高から原価を引いた金額 | 売上高に対する粗利の割合 |
| 単位 | 円(金額) | %(パーセント) |
| 計算式 | 売上高 − 原価 | 粗利 ÷ 売上高 × 100 |
| 用途 | 利益額の把握 | 収益性の比較・分析 |
粗利は「いくら儲かったか」を示す金額であり、粗利率は「どのくらいの効率で儲けたか」を示す割合です。
粗利率の計算方法
粗利率の計算式は以下の通りです。
基本の計算式
粗利率(%) = 粗利益 ÷ 売上高 × 100
または、
粗利率(%) =(売上高 − 原価)÷ 売上高 × 100
建設業での計算例
具体的な数字で計算してみましょう。
【例】工事請負金額1,000万円、工事原価700万円の場合
- 粗利益 = 1,000万円 − 700万円 = 300万円
- 粗利率 = 300万円 ÷ 1,000万円 × 100 = 30%
この場合、売上高の30%が粗利益として残ることになります。
原価率との関係
粗利率と原価率は表裏一体の関係にあります。
粗利率 + 原価率 = 100%
上記の例では、原価率は70%(700万円 ÷ 1,000万円 × 100)となり、粗利率30%と合わせて100%になります。
建設業の粗利率の平均値
建設業の粗利率は、業種や工事内容によって大きく異なります。一般的な目安を把握しておきましょう。
業種別の粗利率平均
| 業種 | 粗利率の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 総合建設業(ゼネコン) | 10〜15% | 下請への外注が多く、利益率は低め |
| 専門工事業 | 20〜30% | 自社施工が中心で、利益率は比較的高い |
| リフォーム・内装工事 | 25〜35% | 付加価値が高く、利益率を確保しやすい |
| 設備工事業 | 20〜25% | 材料費の比率により変動 |
| 解体工事業 | 15〜25% | 人件費の比率が高い |
企業規模別の粗利率
企業規模によっても粗利率は異なります。
| 企業規模 | 粗利率の目安 |
|---|---|
| 大手ゼネコン | 8〜12% |
| 中堅建設会社 | 12〜18% |
| 中小建設会社 | 18〜25% |
| 工務店・リフォーム会社 | 25〜35% |
一般的に、企業規模が小さいほど粗利率は高くなる傾向があります。これは、大手ゼネコンは下請への発注が多い一方、中小企業は自社施工の比率が高いためです。
適正な粗利率の目安
建設業で健全な経営を維持するためには、最低でも15〜20%の粗利率を確保することが望ましいとされています。
粗利率が低すぎると、販売管理費(人件費、事務所経費など)を賄えず、営業利益がマイナスになるリスクがあります。
粗利率と他の利益率の違い
粗利率以外にも、経営分析で使われる利益率があります。それぞれの違いを理解しておきましょう。
利益率の種類と計算式
| 利益率 | 計算式 | 意味 |
|---|---|---|
| 粗利率 | 粗利益 ÷ 売上高 | 原価に対する収益性 |
| 営業利益率 | 営業利益 ÷ 売上高 | 本業の収益性 |
| 経常利益率 | 経常利益 ÷ 売上高 | 財務活動含む収益性 |
| 純利益率 | 純利益 ÷ 売上高 | 最終的な収益性 |
建設業の利益構造
建設業の損益計算書における利益の流れは以下の通りです。
- 完成工事高(売上高)
- − 完成工事原価 = 完成工事総利益(粗利益)
- − 販売費及び一般管理費 = 営業利益
- ± 営業外損益 = 経常利益
- ± 特別損益 − 法人税等 = 当期純利益
粗利率は最初の段階での収益性を示すため、まずはここをしっかり確保することが重要です。
粗利率を改善する方法
粗利率を向上させるには、売上を増やすか原価を下げるかのいずれかです。具体的な方法を解説します。
①原価管理を徹底する
粗利率改善の基本は原価管理の徹底です。工事ごとに原価を正確に把握し、予算との差異を分析しましょう。
原価管理ソフトを活用することで、リアルタイムに原価状況を把握でき、早期の対策が可能になります。
②実行予算を正確に組む
実行予算を正確に作成することで、工事開始前に利益を確保できるかどうかを判断できます。見積段階での甘い原価計算は、粗利率低下の原因となります。
③適正な見積価格を設定する
安易な値引きや過度な価格競争は粗利率を圧迫します。自社の強みを活かした付加価値を提案し、適正価格での受注を心がけましょう。
④材料費・外注費の見直し
原価の大部分を占める材料費と外注費を見直すことで、粗利率の改善が期待できます。
- 材料の一括発注によるボリュームディスカウント
- 複数の仕入先から相見積もりを取る
- 外注単価の定期的な見直し
- 自社施工比率の向上
⑤工程管理で無駄を削減
工期の遅延は追加コストを発生させ、粗利率を低下させます。適切な工程管理により、手戻りや待ち時間を削減することが重要です。
粗利率に関するよくある質問
Q1. 粗利率が低い工事は受注しない方がいい?
一概には言えません。新規顧客の開拓や継続受注につながる場合は、戦略的に低い粗利率でも受注する判断もあります。ただし、赤字工事は避けるべきです。
Q2. 粗利率と営業利益率、どちらを重視すべき?
工事単位では粗利率、会社全体では営業利益率を重視しましょう。粗利率が高くても、販管費が多ければ営業利益は残りません。両方のバランスが重要です。
Q3. 粗利率の目標設定はどうすればいい?
まずは自社の販管費を把握し、それを賄える粗利率を最低ラインとして設定します。建設業の場合、販管費率が10〜15%程度であれば、粗利率は最低でも15〜20%以上を目標にしましょう。
Q4. 工事途中で粗利率を把握する方法は?
出来高と発生原価を定期的に比較することで、工事途中でも粗利率の見込みを把握できます。原価管理ソフトを活用すれば、リアルタイムでの把握が可能です。
まとめ
本記事では、粗利率の計算方法・建設業の平均値・改善のポイントについて解説しました。
粗利率のポイント(まとめ):
- 粗利率とは:売上高に対する粗利益の割合。計算式は「粗利益 ÷ 売上高 × 100」
- 建設業の平均:業種により10〜35%程度。中小建設会社は18〜25%が目安
- 適正な目安:最低でも15〜20%を確保することが望ましい
- 改善方法:原価管理の徹底、実行予算の精度向上、適正価格での受注
粗利率は建設業の経営を左右する重要な指標です。工事ごとの粗利率を正確に把握し、収益性の高い経営を目指しましょう。
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