粗利率とは

粗利率とは?【建設業】計算方法と平均値を解説【2025年版】

「粗利率ってどうやって計算するの?」「建設業の粗利率の平均はどのくらい?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。粗利率は工事の収益性を判断する重要な指標であり、経営判断に欠かせません。

本記事では、粗利率の計算方法・建設業の平均値・利益改善のポイントについて徹底解説します。粗利率の計算式を正しく理解し、適正な利益確保を目指しましょう。

粗利率とは?

粗利率(あらりりつ)とは、売上高に対する粗利益(売上総利益)の割合を示す指標です。売上総利益率とも呼ばれ、企業の収益性を測る基本的な指標のひとつです。

建設業においては、工事の請負金額から原価を差し引いた利益の割合を指し、工事ごとの収益性を判断する際に活用されます。

粗利と粗利率の違い

混同されやすい「粗利」と「粗利率」の違いを整理しておきましょう。

項目粗利(粗利益)粗利率
定義売上高から原価を引いた金額売上高に対する粗利の割合
単位円(金額)%(パーセント)
計算式売上高 − 原価粗利 ÷ 売上高 × 100
用途利益額の把握収益性の比較・分析

粗利は「いくら儲かったか」を示す金額であり、粗利率は「どのくらいの効率で儲けたか」を示す割合です。

粗利率の計算方法

粗利率の計算式は以下の通りです。

基本の計算式

粗利率(%) = 粗利益 ÷ 売上高 × 100

または、

粗利率(%) =(売上高 − 原価)÷ 売上高 × 100

建設業での計算例

具体的な数字で計算してみましょう。

【例】工事請負金額1,000万円、工事原価700万円の場合

  • 粗利益 = 1,000万円 − 700万円 = 300万円
  • 粗利率 = 300万円 ÷ 1,000万円 × 100 = 30%

この場合、売上高の30%が粗利益として残ることになります。

原価率との関係

粗利率と原価率は表裏一体の関係にあります。

粗利率 + 原価率 = 100%

上記の例では、原価率は70%(700万円 ÷ 1,000万円 × 100)となり、粗利率30%と合わせて100%になります。

建設業の粗利率の平均値

建設業の粗利率は、業種や工事内容によって大きく異なります。一般的な目安を把握しておきましょう。

業種別の粗利率平均

業種粗利率の目安特徴
総合建設業(ゼネコン)10〜15%下請への外注が多く、利益率は低め
専門工事業20〜30%自社施工が中心で、利益率は比較的高い
リフォーム・内装工事25〜35%付加価値が高く、利益率を確保しやすい
設備工事業20〜25%材料費の比率により変動
解体工事業15〜25%人件費の比率が高い

企業規模別の粗利率

企業規模によっても粗利率は異なります。

企業規模粗利率の目安
大手ゼネコン8〜12%
中堅建設会社12〜18%
中小建設会社18〜25%
工務店・リフォーム会社25〜35%

一般的に、企業規模が小さいほど粗利率は高くなる傾向があります。これは、大手ゼネコンは下請への発注が多い一方、中小企業は自社施工の比率が高いためです。

適正な粗利率の目安

建設業で健全な経営を維持するためには、最低でも15〜20%の粗利率を確保することが望ましいとされています。

粗利率が低すぎると、販売管理費(人件費、事務所経費など)を賄えず、営業利益がマイナスになるリスクがあります。

粗利率と他の利益率の違い

粗利率以外にも、経営分析で使われる利益率があります。それぞれの違いを理解しておきましょう。

利益率の種類と計算式

利益率計算式意味
粗利率粗利益 ÷ 売上高原価に対する収益性
営業利益率営業利益 ÷ 売上高本業の収益性
経常利益率経常利益 ÷ 売上高財務活動含む収益性
純利益率純利益 ÷ 売上高最終的な収益性

建設業の利益構造

建設業の損益計算書における利益の流れは以下の通りです。

  • 完成工事高(売上高)
  • − 完成工事原価 = 完成工事総利益(粗利益)
  • − 販売費及び一般管理費 = 営業利益
  • ± 営業外損益 = 経常利益
  • ± 特別損益 − 法人税等 = 当期純利益

粗利率は最初の段階での収益性を示すため、まずはここをしっかり確保することが重要です。

粗利率を改善する方法

粗利率を向上させるには、売上を増やす原価を下げるかのいずれかです。具体的な方法を解説します。

①原価管理を徹底する

粗利率改善の基本は原価管理の徹底です。工事ごとに原価を正確に把握し、予算との差異を分析しましょう。

原価管理ソフトを活用することで、リアルタイムに原価状況を把握でき、早期の対策が可能になります。

②実行予算を正確に組む

実行予算を正確に作成することで、工事開始前に利益を確保できるかどうかを判断できます。見積段階での甘い原価計算は、粗利率低下の原因となります。

③適正な見積価格を設定する

安易な値引きや過度な価格競争は粗利率を圧迫します。自社の強みを活かした付加価値を提案し、適正価格での受注を心がけましょう。

④材料費・外注費の見直し

原価の大部分を占める材料費と外注費を見直すことで、粗利率の改善が期待できます。

  • 材料の一括発注によるボリュームディスカウント
  • 複数の仕入先から相見積もりを取る
  • 外注単価の定期的な見直し
  • 自社施工比率の向上

⑤工程管理で無駄を削減

工期の遅延は追加コストを発生させ、粗利率を低下させます。適切な工程管理により、手戻りや待ち時間を削減することが重要です。

粗利率に関するよくある質問

Q1. 粗利率が低い工事は受注しない方がいい?

一概には言えません。新規顧客の開拓や継続受注につながる場合は、戦略的に低い粗利率でも受注する判断もあります。ただし、赤字工事は避けるべきです。

Q2. 粗利率と営業利益率、どちらを重視すべき?

工事単位では粗利率会社全体では営業利益率を重視しましょう。粗利率が高くても、販管費が多ければ営業利益は残りません。両方のバランスが重要です。

Q3. 粗利率の目標設定はどうすればいい?

まずは自社の販管費を把握し、それを賄える粗利率を最低ラインとして設定します。建設業の場合、販管費率が10〜15%程度であれば、粗利率は最低でも15〜20%以上を目標にしましょう。

Q4. 工事途中で粗利率を把握する方法は?

出来高と発生原価を定期的に比較することで、工事途中でも粗利率の見込みを把握できます。原価管理ソフトを活用すれば、リアルタイムでの把握が可能です。

まとめ

本記事では、粗利率の計算方法・建設業の平均値・改善のポイントについて解説しました。

粗利率のポイント(まとめ):

  • 粗利率とは:売上高に対する粗利益の割合。計算式は「粗利益 ÷ 売上高 × 100」
  • 建設業の平均:業種により10〜35%程度。中小建設会社は18〜25%が目安
  • 適正な目安:最低でも15〜20%を確保することが望ましい
  • 改善方法:原価管理の徹底、実行予算の精度向上、適正価格での受注

粗利率は建設業の経営を左右する重要な指標です。工事ごとの粗利率を正確に把握し、収益性の高い経営を目指しましょう。

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