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バーチャート工程表とは?【建設業】書き方や作成方法を解説

「バーチャート工程表ってどんな工程表?」「書き方や作り方を知りたい」とお考えではありませんか?

バーチャート工程表は、建設現場で最も多く使われている工程表です。シンプルな構成で作成しやすく、誰が見ても直感的に理解できるため、現場作業員から施主様まで幅広く活用されています。

バーチャート工程表とは?【建設業】書き方や作成方法を解説

この記事では、バーチャート工程表の基本から、ガントチャートとの違い、メリット・デメリット、具体的な書き方・作成方法まで詳しく解説します。

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目次

バーチャート工程表とは?

バーチャート工程表とは、縦軸に作業項目(工種や種別)、横軸に日付(時間軸)を配置し、各作業の期間を横棒(バー)で表現する工程表です。

建設業界や製造業界で広く利用されており、「工程表」と言えばこのバーチャート形式を指すことが一般的です。

バーチャート工程表の基本構成

バーチャート工程表は、以下の3つの要素で構成されています。

要素内容配置
作業項目工種・種別・作業内容縦軸
日付・期間日・週・月などの時間軸横軸
横棒(バー)作業の開始日から終了日までの期間表内

この3つの要素だけで構成されているため、作成が簡単で、専門知識がなくても内容を理解しやすいのが特徴です。

バーチャート工程表で分かること

バーチャート工程表を見ることで、以下の情報を把握できます。

  • 各作業がいつ始まり、いつ終わるのか
  • 各作業に必要な日数
  • 工事全体のスケジュール
  • 現在どの作業が進行中なのか

バーチャート工程表とガントチャート工程表の違い

バーチャート工程表と混同されやすいのが「ガントチャート工程表」です。見た目が似ているため、同じものとして扱われることもありますが、実は異なる工程表です。

最大の違いは「横軸」

両者の最大の違いは、横軸に何を配置するかです。

項目バーチャート工程表ガントチャート工程表
縦軸作業項目作業項目
横軸日付・期間進捗率(%)
バーが示すもの作業の期間作業の進捗度
主な用途スケジュール管理進捗管理

バーチャート工程表は「いつからいつまで作業するか」という日程管理に優れています。一方、ガントチャート工程表は「どこまで作業が進んでいるか」という進捗管理に適しています。

現場ではバーチャート工程表が主流

建設現場では、バーチャート工程表が主流です。施主様への説明や職人のスケジュール確認など、日程を把握する場面が多いためです。

なお、現場では両者の定義が混同されていることもあり、「ガントチャート」と呼ばれていても実際にはバーチャート形式であることも少なくありません。

バーチャート工程表と他の工程表との比較

工程表にはバーチャート以外にもいくつかの種類があります。代表的な工程表と比較してみましょう。

工程表の種類特徴適した現場
バーチャート工程表日程が一目で分かる。作成が簡単小〜中規模の現場
ガントチャート工程表進捗率が一目で分かる進捗管理を重視する現場
ネットワーク工程表作業の関連性・依存関係が分かる大規模・複雑な現場
グラフ式工程表日程と進捗率の両方が分かる中〜大規模の現場
曲線式工程表全体の進捗を曲線で表現進捗の遅れを把握したい現場

バーチャート工程表は、作成が簡単でスケジュールを直感的に把握できるため、多くの建設現場で活用されています。

バーチャート工程表のメリット

バーチャート工程表のメリット

バーチャート工程表には、以下のようなメリットがあります。

1. 作成が簡単

バーチャート工程表は、「作業項目」「日付」「横棒」の3つの要素だけで構成されています。必要な情報さえ用意できれば、エクセルや紙とペンでも誰でも簡単に作成できます。

特別なプロジェクト管理ツールや工程管理ソフトウェアを用意する必要がないため、導入のハードルが低いのが魅力です。

2. 直感的に理解しやすい

シンプルな構成のため、建設に知識のない施主様でも、工事のスケジュールを一目で把握できます。横棒の長さで作業期間が分かるため、視覚的に理解しやすいのが特徴です。

新入社員や異動してきたばかりのメンバーでも、プロジェクトの全体像を迅速に把握できます。

3. 工事完了日の意識を共有しやすい

現場スケジュールを単純な表で可視化できるため、関係者全員で工事完了日の意識を共有できます。

マンションの大規模改修工事などでは、掲示板に貼り出しておくことで、住民からの問い合わせに対する説明負担を軽減できます。

4. 修正しやすい

作業ごとに進捗を管理するため、部分的なスケジュール変更があった場合でも細かく修正しやすいです。天候やトラブルによる日程変更にも柔軟に対応できます。

バーチャート工程表のデメリット

一方で、バーチャート工程表には以下のようなデメリットもあります。

1. 作業間の関連性が分からない

バーチャート工程表は、各作業を一列に並べて表示しているだけのため、作業同士の前後関係や依存関係が分かりません。

例えば「作業Aが終わらないと作業Bが始められない」といった関連性は、バーチャート工程表では表現できません。

2. クリティカルパスが把握できない

クリティカルパスとは、工期を遵守するために絶対に遅らせてはならない作業経路のことです。バーチャート工程表では、どの作業がクリティカルパスなのかを特定することができません。

そのため、優先順位の低い作業を先に着手してしまい、全体工程の遅延を招くリスクがあります。

3. 大規模・複雑な現場には不向き

複数の作業が複雑に絡み合う大規模な現場では、バーチャート工程表だけでは全体の流れを把握しきれません。

大規模な現場では、ネットワーク工程表と併用するなどの対策が必要です。

4. 進捗率が分からない

バーチャート工程表では、各作業の進捗率を表現することができません。「現在どのくらい進んでいるか」を把握したい場合は、ガントチャート工程表やグラフ式工程表との併用が必要です。

バーチャート工程表の書き方・作成手順

ここからは、バーチャート工程表の具体的な書き方・作成手順を解説します。

ステップ1:必要な作業を洗い出す

まず、工程表に記載する作業をすべて書き出します。この段階では工事順序は気にせず、抜け漏れがないようにすべての作業を洗い出しましょう。

細かな作業も含めて書き出すことがポイントです。

ステップ2:作業の順序を決める

洗い出した作業を、工事順序に合わせて並び替えます。どの作業を先に行う必要があるか、並行して進められる作業はないかを整理しましょう。

ステップ3:各作業の期間(日数)を設定する

各作業にかかる日数を設定します。過去の実績や経験をもとに、現実的な日数を設定しましょう。

天候の影響を受けやすい屋外作業などは、余裕を持った日数を設定することが大切です。

ステップ4:全体の工期を調整する

納期(竣工日)から逆算して、各作業の開始日・終了日を決めていきます。コンクリートの打設日など、動かせない日程を基準に調整しましょう。

トラブルや天候不良に備えて、予備日を設けることも重要です。

ステップ5:資材・人員の配分を決める

機材や協力業者など、資材の配分を決めます。複数の作業で同じ機材を使う場合は、重ならないよう調整しましょう。

担当者を割り当てる際は、業務が集中しないよう注意が必要です。

ステップ6:工程表に記入する

決定した内容を工程表に書き起こします。縦軸に作業項目、横軸に日付を配置し、各作業の期間を横棒(バー)で表現しましょう。

ステップ7:最終確認を行う

「工程に無理がないか」「余裕を持たせてあるか」など、最終チェックを行いましょう。関係者全員が一目で理解できる、見やすい工程表になっているかも確認します。

【具体例】バーチャート工程表の作成例

ここでは、住宅リフォーム工事を例に、バーチャート工程表の作成例を紹介します。

作成例:住宅リフォーム工事(工期:2週間)

作業項目1日2日3日4日5日6日7日8日9日10日
解体工事
電気配線工事
給排水工事
内装下地工事
クロス工事
設備取付工事
清掃・引渡し

このように、各作業がいつ行われるかが一目で分かります。横棒(■)の長さで作業日数も把握できます。

バーチャート工程表を作成する際の注意点

バーチャート工程表を作成する際は、以下の点に注意しましょう。

1. 期限に余裕を持たせる

期限がギリギリに設定されていると、トラブルが発生した際に対応しきれません。天候不良や資材の遅延など、想定外の事態に備えて余裕を持った期限設定をしましょう。

期限に余裕があると心理的な余裕も生まれ、ミスの予防や品質の維持にもつながります。

2. 専門用語を避ける

工程表は施主様や協力業者など、さまざまな人が見るものです。専門用語ばかりだと理解が難しくなるため、誰が見ても分かる表現を使いましょう。

3. 見やすいデザインを心がける

視認性に優れた見やすい工程表にすることが重要です。色を使いすぎず、2〜3色程度に抑えましょう。休日は色を変えるなど、作業できない日が分かるようにしておくと便利です。

4. 案件ごとに分けて作成する

複数の案件を1つの工程表にまとめると、工程の把握が難しくなります。案件ごと・作業ごとに分けて作成するのが基本です。

バーチャート工程表の作成方法

バーチャート工程表を作成する方法は、主に以下の3つがあります。

1. Excel(エクセル)で作成

最も一般的な方法です。多くの企業で導入されているため、追加コストをかけずに作成できます。

エクセルでの作成方法:

  1. 縦軸に作業項目、横軸に日付を入力してひな形を作る
  2. 作業期間に該当するセルを塗りつぶす(または図形を挿入する)
  3. 土日・祝日は色を変えて区別する
  4. ウィンドウ枠を固定して見やすくする

条件付き書式や関数を使えば、開始日・終了日を入力するだけで自動的にセルに色が付くように設定することも可能です。

2. Googleスプレッドシートで作成

Googleスプレッドシートは、オンライン上で作成・保存ができ、複数人での同時編集も可能です。エクセルと操作性が似ているため、使いやすいのが特徴です。

無料で使えるテンプレートも用意されています。

3. 工程管理システム・アプリで作成

工程表作成に特化したシステムやアプリを使う方法です。テンプレートを選んで現場情報を入力するだけで、見やすい工程表を簡単に作成できます。

クラウド型のシステムなら、リアルタイムでの情報共有も可能です。

作成方法の比較

項目Excelスプレッドシート工程管理アプリ
導入コスト◎ 不要◎ 無料△ 必要
作成の手軽さ◯ 慣れれば簡単◯ 慣れれば簡単◎ テンプレートあり
同時編集× 不可◎ 可能◎ 可能
リアルタイム共有△ 限定的◎ 可能◎ 可能
スマホ対応△ 限定的◯ 可能◎ 対応
過去データの流用△ 手動△ 手動◎ ワンクリック

バーチャート工程表が適している現場

バーチャート工程表は、以下のような現場に適しています。

  • 小〜中規模の工事現場
  • リフォーム工事や設備点検など、各作業が独立して進むプロジェクト
  • 短期的な工期の現場
  • 施主様への説明が必要な現場
  • 作業員の入れ替わりが多い現場

反対に、複数の作業が複雑に絡み合う大規模な現場では、ネットワーク工程表と併用するなどの対策が必要です。

まとめ

バーチャート工程表は、建設現場で最も多く使われている工程表です。シンプルな構成で作成が簡単、直感的に理解しやすいため、現場作業員から施主様まで幅広く活用できます。

バーチャート工程表のポイント:

  • 縦軸に作業項目、横軸に日付、横棒で作業期間を表現
  • 作成が簡単で、誰でも直感的に理解できる
  • 小〜中規模の現場に適している
  • 作業間の関連性やクリティカルパスの把握には不向き
  • 大規模な現場では他の工程表との併用が必要

この記事で紹介した書き方・作成手順を参考に、現場で活用できるバーチャート工程表を作成してみてください。

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