注文請書の印紙税

注文請書の印紙はいくら?【建設業】金額一覧と貼り方を解説【2025年版】

「注文請書に印紙は必要?」「印紙の金額はいくら?」「どこに貼ればいい?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。注文請書は印紙税法上の課税文書に該当し、契約金額に応じた収入印紙を貼付する必要があります。

本記事では、注文請書に必要な印紙の金額一覧・貼り方・注意点について徹底解説します。工事請負契約書との違いも含めて、正しい印紙の取り扱いを理解しましょう。

注文請書とは?

注文請書(ちゅうもんうけしょ)とは、注文を受けた側が注文内容を承諾したことを証明する書類です。発注者から送られた注文書に対して、受注者が「この内容で注文を受けます」と回答する文書となります。

注文請書の役割

  • 契約の成立を証明:注文書と注文請書の交換で契約が成立
  • 注文内容の確認:金額・納期・仕様などを明確化
  • トラブル防止:双方の認識を一致させる

注文請書が課税文書となる理由

注文請書は、印紙税法上の「第2号文書(請負に関する契約書)」に該当します。注文書と注文請書を交換することで契約が成立するため、注文請書は契約書と同等の効力を持つ課税文書として扱われます。

注文請書の印紙税額一覧

注文請書に必要な収入印紙の金額は、契約金額(税抜)によって決まります。

印紙税額の一覧表

契約金額(税抜)印紙税額
1万円未満非課税
1万円以上 100万円以下200円
100万円超 200万円以下400円
200万円超 300万円以下1,000円
300万円超 500万円以下2,000円
500万円超 1,000万円以下10,000円
1,000万円超 5,000万円以下20,000円
5,000万円超 1億円以下60,000円
1億円超 5億円以下100,000円
5億円超 10億円以下200,000円
10億円超 50億円以下400,000円
50億円超600,000円
契約金額の記載なし200円

※上記は2024年4月以降の税額です。

建設工事でよく使う金額帯の印紙税

建設業でよくある契約金額の印紙税額をまとめました。

契約金額(税抜)印紙税額よくある工事例
50万円200円小規模修繕工事
150万円400円内装リフォーム
250万円1,000円外壁塗装工事
400万円2,000円水回りリフォーム
800万円10,000円大規模リフォーム
2,000万円20,000円新築住宅工事
5,000万円20,000円店舗新築工事

印紙税額の計算方法

印紙税額を計算する際の注意点を解説します。

消費税の取り扱い

印紙税の課税対象となる契約金額は、原則として消費税抜きの金額です。ただし、以下の条件を満たす必要があります。

【消費税を除外できる条件】

  • 消費税額が明記されている
  • または、税抜金額と消費税額が区分記載されている

【例】契約金額1,100万円(税込)の場合

  • 「工事代金:1,100万円」のみの記載 → 1,100万円が課税対象 → 印紙20,000円
  • 「工事代金:1,000万円、消費税:100万円、合計:1,100万円」の記載 → 1,000万円が課税対象 → 印紙10,000円

消費税を区分記載するだけで、印紙税を節約できるケースがあります。

契約金額の記載がない場合

契約金額の記載がない注文請書の場合、印紙税額は200円となります。

ただし、後から金額が確定した際に変更契約書を作成する場合は、その文書に印紙が必要になります。

収入印紙の貼り方

収入印紙の正しい貼り方と消印の方法を解説します。

印紙を貼る位置

収入印紙を貼る位置に法的な決まりはありませんが、一般的には以下の場所に貼付します。

  • 表題の近く:「注文請書」というタイトルの下
  • 契約金額の近く:金額記載欄の付近
  • 余白部分:文書の空いている場所

どこに貼っても法的には問題ありませんが、見やすい位置に貼るのが一般的です。

消印(割印)の方法

収入印紙を貼付したら、必ず消印(割印)を行う必要があります。消印がない場合、印紙を貼付していないのと同じ扱いになり、過怠税が課せられます。

【消印の方法】

  • 印紙と文書にまたがるように印鑑を押す
  • または、印紙と文書にまたがるように署名する

【消印に使える印鑑】

  • 会社の代表印
  • 社印(角印)
  • 担当者の印鑑
  • シャチハタなどの認印

消印は印紙の再使用を防ぐ目的なので、契約者本人の印鑑でなくても問題ありません。

消印のNG例

以下の方法では、消印として認められない場合があります。

  • 印紙に線を引いただけ(鉛筆やボールペンで斜線)
  • 印紙の上だけに印鑑を押した(文書にまたがっていない
  • 消えやすい筆記具での署名

印紙が不要なケース

注文請書であっても、印紙が不要なケースがあります。

①契約金額が1万円未満の場合

契約金額(税抜)が1万円未満の注文請書は非課税となり、印紙は不要です。

②電子契約の場合

電子データでやり取りする注文請書は、印紙税法上の「文書」に該当しないため、印紙は不要です。

  • PDFをメールで送信 → 印紙不要
  • 電子契約サービスを利用 → 印紙不要
  • PDFを印刷して郵送 → 印紙必要

印紙税の節約を目的に、電子契約を導入する企業も増えています。

③注文書のみで契約が成立する場合

基本契約書などで「注文書の発行をもって契約成立」と定めている場合、注文請書を発行しなければ印紙は不要です。建設業法19条の書面交付義務との関係に注意しましょう。

印紙を貼り忘れた場合のペナルティ

印紙を貼り忘れたり、消印を忘れたりした場合には、過怠税が課せられます。

過怠税の金額

ケース過怠税
印紙を貼っていない本来の印紙税額の3倍
自主的に申告した場合本来の印紙税額の1.1倍
消印がない消印されていない印紙の金額と同額

【例】1万円の印紙を貼り忘れた場合

  • 税務調査で発覚 → 過怠税 30,000円(3倍)
  • 自主的に申告 → 過怠税 11,000円(1.1倍)

印紙を貼り忘れても契約は有効

印紙を貼り忘れた場合でも、契約自体は有効です。印紙税は税金の問題であり、契約の効力には影響しません。

ただし、過怠税のペナルティがあるため、適切な印紙の貼付を心がけましょう。

注文請書と工事請負契約書の印紙の違い

注文請書と工事請負契約書は、いずれも印紙税法上の「請負に関する契約書」に該当しますが、印紙の取り扱いに違いがあります。

印紙の負担者

文書の種類作成枚数印紙の負担
工事請負契約書2通(双方保管)発注者・受注者が各1通分を負担
注文書+注文請書各1通注文請書のみ印紙必要(受注者負担)

注文書には印紙は不要です(申込みの文書であり、契約書ではないため)。印紙が必要なのは注文請書のみとなります。

印紙税の節約方法

工事請負契約書を2通作成する場合、双方で印紙を負担するため、合計で印紙税額の2倍のコストがかかります。

一方、注文書・注文請書方式であれば、注文請書1通分の印紙のみで済むため、印紙税を節約できます。

注文請書の印紙に関するよくある質問

Q1. 注文請書のコピーにも印紙は必要?

単なるコピーには印紙は不要です。ただし、コピーに署名や押印をして原本と同様に扱う場合は、印紙が必要になります。

Q2. FAXで送った注文請書に印紙は必要?

FAXで送信した注文請書は、送信側は印紙不要です。ただし、受信側が印刷して保管する場合、その印刷物は「文書」に該当するため、原則として印紙が必要になります。

Q3. 印紙を間違えて貼ってしまった場合は?

印紙を過大に貼付した場合不要な文書に貼付した場合は、税務署に「印紙税過誤納確認申請書」を提出することで、還付を受けられます。

Q4. 変更契約の注文請書にも印紙は必要?

契約金額が増額される変更契約の場合、増額分に対応する印紙が必要です。減額の場合は、印紙は不要です。

  • 1,000万円 → 1,500万円に増額 → 500万円(増額分)に対する印紙 → 2,000円
  • 1,000万円 → 800万円に減額 → 印紙不要

まとめ

本記事では、注文請書に必要な印紙の金額一覧・貼り方・注意点について解説しました。

注文請書の印紙のポイント(まとめ):

  • 印紙税額:契約金額(税抜)に応じて200円〜60万円
  • 消費税の記載:区分記載すれば税抜金額が課税対象
  • 消印:印紙と文書にまたがるように印鑑または署名
  • 電子契約:印紙不要で節税効果あり
  • ペナルティ:貼り忘れは本来の3倍の過怠税

印紙税は金額が大きくなると負担も増えます。正しい知識を身につけ、適切な印紙の取り扱いを心がけましょう。

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