「注文請書に印紙は必要?」「印紙の金額はいくら?」「どこに貼ればいい?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。注文請書は印紙税法上の課税文書に該当し、契約金額に応じた収入印紙を貼付する必要があります。
本記事では、注文請書に必要な印紙の金額一覧・貼り方・注意点について徹底解説します。工事請負契約書との違いも含めて、正しい印紙の取り扱いを理解しましょう。
注文請書とは?
注文請書(ちゅうもんうけしょ)とは、注文を受けた側が注文内容を承諾したことを証明する書類です。発注者から送られた注文書に対して、受注者が「この内容で注文を受けます」と回答する文書となります。
注文請書の役割
- 契約の成立を証明:注文書と注文請書の交換で契約が成立
- 注文内容の確認:金額・納期・仕様などを明確化
- トラブル防止:双方の認識を一致させる
注文請書が課税文書となる理由
注文請書は、印紙税法上の「第2号文書(請負に関する契約書)」に該当します。注文書と注文請書を交換することで契約が成立するため、注文請書は契約書と同等の効力を持つ課税文書として扱われます。
注文請書の印紙税額一覧
注文請書に必要な収入印紙の金額は、契約金額(税抜)によって決まります。
印紙税額の一覧表
| 契約金額(税抜) | 印紙税額 |
|---|---|
| 1万円未満 | 非課税 |
| 1万円以上 100万円以下 | 200円 |
| 100万円超 200万円以下 | 400円 |
| 200万円超 300万円以下 | 1,000円 |
| 300万円超 500万円以下 | 2,000円 |
| 500万円超 1,000万円以下 | 10,000円 |
| 1,000万円超 5,000万円以下 | 20,000円 |
| 5,000万円超 1億円以下 | 60,000円 |
| 1億円超 5億円以下 | 100,000円 |
| 5億円超 10億円以下 | 200,000円 |
| 10億円超 50億円以下 | 400,000円 |
| 50億円超 | 600,000円 |
| 契約金額の記載なし | 200円 |
※上記は2024年4月以降の税額です。
建設工事でよく使う金額帯の印紙税
建設業でよくある契約金額の印紙税額をまとめました。
| 契約金額(税抜) | 印紙税額 | よくある工事例 |
|---|---|---|
| 50万円 | 200円 | 小規模修繕工事 |
| 150万円 | 400円 | 内装リフォーム |
| 250万円 | 1,000円 | 外壁塗装工事 |
| 400万円 | 2,000円 | 水回りリフォーム |
| 800万円 | 10,000円 | 大規模リフォーム |
| 2,000万円 | 20,000円 | 新築住宅工事 |
| 5,000万円 | 20,000円 | 店舗新築工事 |
印紙税額の計算方法
印紙税額を計算する際の注意点を解説します。
消費税の取り扱い
印紙税の課税対象となる契約金額は、原則として消費税抜きの金額です。ただし、以下の条件を満たす必要があります。
【消費税を除外できる条件】
- 消費税額が明記されている
- または、税抜金額と消費税額が区分記載されている
【例】契約金額1,100万円(税込)の場合
- 「工事代金:1,100万円」のみの記載 → 1,100万円が課税対象 → 印紙20,000円
- 「工事代金:1,000万円、消費税:100万円、合計:1,100万円」の記載 → 1,000万円が課税対象 → 印紙10,000円
消費税を区分記載するだけで、印紙税を節約できるケースがあります。
契約金額の記載がない場合
契約金額の記載がない注文請書の場合、印紙税額は200円となります。
ただし、後から金額が確定した際に変更契約書を作成する場合は、その文書に印紙が必要になります。
収入印紙の貼り方
収入印紙の正しい貼り方と消印の方法を解説します。
印紙を貼る位置
収入印紙を貼る位置に法的な決まりはありませんが、一般的には以下の場所に貼付します。
- 表題の近く:「注文請書」というタイトルの下
- 契約金額の近く:金額記載欄の付近
- 余白部分:文書の空いている場所
どこに貼っても法的には問題ありませんが、見やすい位置に貼るのが一般的です。
消印(割印)の方法
収入印紙を貼付したら、必ず消印(割印)を行う必要があります。消印がない場合、印紙を貼付していないのと同じ扱いになり、過怠税が課せられます。
【消印の方法】
- 印紙と文書にまたがるように印鑑を押す
- または、印紙と文書にまたがるように署名する
【消印に使える印鑑】
- 会社の代表印
- 社印(角印)
- 担当者の印鑑
- シャチハタなどの認印
消印は印紙の再使用を防ぐ目的なので、契約者本人の印鑑でなくても問題ありません。
消印のNG例
以下の方法では、消印として認められない場合があります。
- 印紙に線を引いただけ(鉛筆やボールペンで斜線)
- 印紙の上だけに印鑑を押した(文書にまたがっていない)
- 消えやすい筆記具での署名
印紙が不要なケース
注文請書であっても、印紙が不要なケースがあります。
①契約金額が1万円未満の場合
契約金額(税抜)が1万円未満の注文請書は非課税となり、印紙は不要です。
②電子契約の場合
電子データでやり取りする注文請書は、印紙税法上の「文書」に該当しないため、印紙は不要です。
- PDFをメールで送信 → 印紙不要
- 電子契約サービスを利用 → 印紙不要
- PDFを印刷して郵送 → 印紙必要
印紙税の節約を目的に、電子契約を導入する企業も増えています。
③注文書のみで契約が成立する場合
基本契約書などで「注文書の発行をもって契約成立」と定めている場合、注文請書を発行しなければ印紙は不要です。建設業法19条の書面交付義務との関係に注意しましょう。
印紙を貼り忘れた場合のペナルティ
印紙を貼り忘れたり、消印を忘れたりした場合には、過怠税が課せられます。
過怠税の金額
| ケース | 過怠税 |
|---|---|
| 印紙を貼っていない | 本来の印紙税額の3倍 |
| 自主的に申告した場合 | 本来の印紙税額の1.1倍 |
| 消印がない | 消印されていない印紙の金額と同額 |
【例】1万円の印紙を貼り忘れた場合
- 税務調査で発覚 → 過怠税 30,000円(3倍)
- 自主的に申告 → 過怠税 11,000円(1.1倍)
印紙を貼り忘れても契約は有効
印紙を貼り忘れた場合でも、契約自体は有効です。印紙税は税金の問題であり、契約の効力には影響しません。
ただし、過怠税のペナルティがあるため、適切な印紙の貼付を心がけましょう。
注文請書と工事請負契約書の印紙の違い
注文請書と工事請負契約書は、いずれも印紙税法上の「請負に関する契約書」に該当しますが、印紙の取り扱いに違いがあります。
印紙の負担者
| 文書の種類 | 作成枚数 | 印紙の負担 |
|---|---|---|
| 工事請負契約書 | 2通(双方保管) | 発注者・受注者が各1通分を負担 |
| 注文書+注文請書 | 各1通 | 注文請書のみ印紙必要(受注者負担) |
注文書には印紙は不要です(申込みの文書であり、契約書ではないため)。印紙が必要なのは注文請書のみとなります。
印紙税の節約方法
工事請負契約書を2通作成する場合、双方で印紙を負担するため、合計で印紙税額の2倍のコストがかかります。
一方、注文書・注文請書方式であれば、注文請書1通分の印紙のみで済むため、印紙税を節約できます。
注文請書の印紙に関するよくある質問
Q1. 注文請書のコピーにも印紙は必要?
単なるコピーには印紙は不要です。ただし、コピーに署名や押印をして原本と同様に扱う場合は、印紙が必要になります。
Q2. FAXで送った注文請書に印紙は必要?
FAXで送信した注文請書は、送信側は印紙不要です。ただし、受信側が印刷して保管する場合、その印刷物は「文書」に該当するため、原則として印紙が必要になります。
Q3. 印紙を間違えて貼ってしまった場合は?
印紙を過大に貼付した場合や不要な文書に貼付した場合は、税務署に「印紙税過誤納確認申請書」を提出することで、還付を受けられます。
Q4. 変更契約の注文請書にも印紙は必要?
契約金額が増額される変更契約の場合、増額分に対応する印紙が必要です。減額の場合は、印紙は不要です。
- 1,000万円 → 1,500万円に増額 → 500万円(増額分)に対する印紙 → 2,000円
- 1,000万円 → 800万円に減額 → 印紙不要
まとめ
本記事では、注文請書に必要な印紙の金額一覧・貼り方・注意点について解説しました。
注文請書の印紙のポイント(まとめ):
- 印紙税額:契約金額(税抜)に応じて200円〜60万円
- 消費税の記載:区分記載すれば税抜金額が課税対象
- 消印:印紙と文書にまたがるように印鑑または署名
- 電子契約:印紙不要で節税効果あり
- ペナルティ:貼り忘れは本来の3倍の過怠税
印紙税は金額が大きくなると負担も増えます。正しい知識を身につけ、適切な印紙の取り扱いを心がけましょう。
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