055_工程表の書き方_完全ガイド

工程表の書き方完全ガイド|初心者でもわかる作成手順

「工程表の書き方がわからない」「どんな項目を記入すればいいの?」「見やすい工程表を作りたい」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

工程表の書き方完全ガイド|初心者でもわかる作成手順

本記事では、工程表の書き方を初心者向けに完全ガイドします。作成手順、記入項目、見やすくするコツまで、建設現場で使える実践的な工程表の書き方を解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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目次

工程表とは?

工程表とは、着工日から竣工日までの期間に行うべき工事を、時系列順にまとめた表です。「いつ・何の工事を・どの順番で行うか」を可視化し、工事の進捗を管理するために使用します。

工程表を作成する目的

  • 進捗管理:工事が予定通り進んでいるか確認
  • 人員配置:必要な人員をいつ手配するか計画
  • 資材調達:必要な資材をいつ発注するか計画
  • 情報共有:関係者全員で予定を共有
  • 工期遵守:納期に間に合わせるための管理

「工程表」と「行程表」の違い

読み方は同じ「こうていひょう」ですが、意味が異なります。

項目工程表行程表
意味作業の予定・順序・進め方を示した表目的地までの道順・スケジュール
用途建設現場、製造現場旅行、出張、営業訪問
特徴作業工程の管理移動を伴う業務スケジュール

工程表の種類

工程表にはいくつかの種類があります。目的や現場に応じて使い分けましょう。

形式による分類

種類特徴メリットおすすめの場面
バーチャート工程表横軸に日時、縦軸に作業項目シンプルで見やすい初心者、小〜中規模工事
ガントチャート工程表横軸に進捗率、縦軸に作業項目進捗状況が一目でわかる進捗管理を重視する場合
ネットワーク工程表円と矢印で作業の順序と関連性を表現作業の依存関係がわかる大規模工事、複雑な工程
曲線式工程表縦軸に進捗率、横軸に日時出来高の推移がわかる公共工事、出来高管理

初心者の方には、バーチャート工程表がおすすめです。シンプルで作りやすく、誰でも理解しやすいのが特徴です。

期間による分類

種類対象期間用途
全体工程表(総合工程表)工事全体工事全体の流れを把握
月間工程表1ヶ月月単位の詳細な予定管理
週間工程表1〜2週間日々の作業の詳細管理
細部工程表特定の工程重要工程の詳細管理

工程表に記入する項目

工程表に記入すべき基本項目を解説します。

ヘッダー部分(基本情報)

項目記入例説明
工事名〇〇邸新築工事工事の正式名称
現場住所〇〇市〇〇町1-2-3現場の所在地
工期2025年4月1日〜6月30日着工日〜竣工日
発注者〇〇様施主名
施工者株式会社〇〇工務店施工会社名
作成者現場監督:〇〇工程表の作成者
作成日2025年3月15日作成した日付

縦軸(行)に記入する項目

項目記入例説明
No.1、2、3…工程の連番
工程名(作業名)基礎工事、木工事など実施する作業の名称
担当者・業者〇〇建設、△△設備作業を担当する会社・人
人数3人必要な作業人員
備考検査日、注意事項など補足情報

横軸(列)に記入する項目

項目記入例説明
日付4/1、4/2、4/3…各日の日付
曜日月、火、水…各日の曜日
天気予報☀️、☁️、☔任意:屋外作業の場合

工程表の書き方【7ステップ】

工程表を書く具体的な手順を7ステップで解説します。

ステップ1:施工範囲と手順を決める

まず、工事の全体像を把握します。

確認すること:

  • 工事の範囲(どこまでが施工範囲か)
  • 必要な工種(基礎、躯体、内装など)
  • 工事の順序(何を先に行うか)
  • 作業間の依存関係(Aが終わらないとBができない)

参考にする資料:

  • 設計図面
  • 仕様書
  • 見積書
  • 契約書

ステップ2:作業を洗い出す

工事全体を細かい作業単位に分解します。

作業の洗い出し例(住宅新築工事):

  • 大分類:基礎工事
  • 中分類:掘削、砕石敷き、捨てコン、配筋、型枠、打設、養生
  • 小分類:配筋(ベース筋、立上り筋、検査)

作業は具体的に書き出すことが重要です。曖昧な状態では正しい工程表を作成できません。

ステップ3:各作業の日数を見積もる

各作業に必要な日数を見積もります。

日数を決める際に考慮すること:

  • 作業の規模・数量
  • 投入する人員数
  • 過去の実績(類似工事の日数)
  • 歩掛(1人1日あたりの作業量)
  • 天候リスク(屋外作業の場合)

ポイント:余裕を持った日数設定が重要です。天候不良や資材遅延などに備えて、工程ごとに1〜2日のバッファを設けましょう。

ステップ4:工程の順序を決める

作業の依存関係を考慮して順序を決めます。

工程の順序を決める2つの方法:

①順行法:施工の順番に沿って計画を立てる

  • 着工日から順番に工程を配置
  • 標準的な方法

②逆算法:完了日からさかのぼって計画を立てる

  • 竣工日から逆算して工程を配置
  • 納期が厳しい場合に有効

ステップ5:担当者・業者を割り当てる

各工程に担当する業者・人員を割り当てます。

確認すること:

  • 担当業者の空き状況
  • 必要な人数
  • 業者間の調整(同時に入れるか)

ステップ6:工程表に記入する

ここまでの情報を工程表に記入します。

バーチャート工程表の記入手順:

  1. ヘッダー部分に基本情報を記入
  2. 横軸に日付・曜日を記入
  3. 縦軸に工程名・担当者を記入
  4. 各工程の期間をバー(横棒)で表示
  5. マイルストーン(検査日など)をマーク

ステップ7:関係者に確認・共有する

作成した工程表を関係者に確認してもらいます。

確認してもらう人:

  • 上司・先輩(社内チェック)
  • 協力業者(日程の確認)
  • 施主(スケジュールの共有)

確認後、必要に応じて修正し、最終版を関係者全員に共有します。

工程表の記入例

実際の工程表の記入例を紹介します。

記入例①:住宅新築工事(3ヶ月工程表)

No.工程名担当4月5月6月
1仮設工事自社
2基礎工事〇〇基礎■■■
3木工事(躯体)△△大工■■
4屋根工事□□屋根
5外壁工事◇◇外装■■
6電気工事◎◎電気■■■
7設備工事★★設備■■■
8内装工事●●内装■■
9外構工事▲▲造園■■
10美装・検査自社

記入例②:リフォーム工事(2週間工程表)

No.工程名担当
1養生・準備自社
2解体工事〇〇解体
3電気・配管△△設備
4大工工事□□大工
5内装仕上げ◇◇内装
6清掃・引渡し自社

見やすい工程表を書くコツ

見やすい工程表を書くコツ

見やすく、使いやすい工程表を作成するためのコツを紹介します。

コツ①:色分けを活用する

工種や状態ごとに色分けすると、一目で内容がわかります。

  • 予定:青系
  • 実績:緑系
  • 遅延:赤系
  • 完了:灰色
  • 検査・マイルストーン:黄色

コツ②:土日・祝日を明確にする

休日は背景色を変えるなどして明確にしましょう。

  • 土曜日:薄い青
  • 日曜日・祝日:薄い赤

コツ③:マイルストーンを設定する

重要な節目をマイルストーンとして目立たせます。

  • 配筋検査日
  • 中間検査日
  • 完了検査日
  • 引渡し日

◆や★などの記号で目立たせると効果的です。

コツ④:工程名は簡潔に

工程名は15〜20文字以内を目安に、簡潔に記載しましょう。

  • 悪い例:1階リビングおよびダイニングのフローリング張り工事
  • 良い例:1Fフローリング張り

コツ⑤:文字は濃く大きく

現場の暗い場所でも見やすいよう、濃く大きな字で作成しましょう。印刷する場合はA3サイズがおすすめです。

コツ⑥:情報を詰め込みすぎない

情報を詰め込みすぎるとかえって見づらくなります。細かい情報は別資料にまとめ、工程表はシンプルに保ちましょう。

コツ⑦:専門用語を使いすぎない

施主にも共有する場合は、専門用語を避けるか、注釈を付けましょう。

工程表を書く際の注意点

工程表を書く際に注意すべきポイントを解説します。

注意点①:正確な情報を反映する

工事内容、工程、人員、資材など、必要な情報を正確に反映しましょう。曖昧な情報で工程表を作ると、後から問題が発生します。

注意点②:余裕を持った日程にする

顧客の希望納期だけで設定すると、事故やミスの原因になります。天候不良、資材遅延、人員都合などに備えて余裕を持たせましょう。

注意点③:関係者と事前に確認する

工程表は作成者だけで完結せず、施工管理者や職人、協力業者との確認を行いましょう。実行可能な計画になっているか確認が必要です。

注意点④:修正に時間をかけすぎない

工程表の修正に時間をかけすぎると、本来の業務に支障が出ます。初期の目標と完了後の状態を記録し、比較する程度に留めましょう。

注意点⑤:必ず共有する

工程表を作成しても共有しなければ意味がありません。少なくとも社内の関係者はいつでも見られる状態にしておきましょう。

工程表の作成ツール

工程表を作成する方法を紹介します。

①手書き

メリット:紙とペンだけで作成可能、コストがかからない

デメリット:修正が大変、共有しにくい、紛失リスク

向いている場面:小規模工事、少人数の現場

②エクセル

メリット:自由にカスタマイズ可能、テンプレートが豊富、コストがかからない

デメリット:リアルタイム共有が難しい、バージョン管理が煩雑

向いている場面:中小規模工事、エクセルに慣れている人

③施工管理アプリ・専用ソフト

メリット:リアルタイム共有、スマホ対応、自動計算、情報一元管理

デメリット:月額費用がかかる、操作を覚える必要がある

向いている場面:中〜大規模工事、複数現場の管理、効率化を重視する場合

まとめ

工程表の書き方は、7つのステップで進めると初心者でも迷わず作成できます。

本記事のポイント:

  • 工程表は「いつ・何の工事を・どの順番で行うか」を可視化するツール
  • 初心者にはバーチャート工程表がおすすめ
  • 作成手順:①施工範囲決定→②作業洗い出し→③日数見積もり→④順序決定→⑤担当割当→⑥記入→⑦確認・共有
  • 見やすくするコツは「色分け」「マイルストーン」「簡潔な工程名」
  • 余裕を持った日程設定と関係者への共有が重要

まずは基本的な書き方をマスターし、徐々に自社に合った工程表にカスタマイズしていきましょう。

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