KY活動とは?

KY活動(危険予知活動)とは?進め方・例文・記録シートの書き方

「KY活動ってどうやって進めればいいの?」「毎日の記録シートに何を書けばいい?」「例文がほしい」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。KY活動は安全書類の一部として、建設現場の安全管理に欠かせない取り組みです。

本記事では、KY活動(危険予知活動)の進め方・例文・記録シートの書き方を徹底解説します。基礎4ラウンド法の手順から、建設現場で使える具体的な例文、効果的な記録シートの書き方まで、現場ですぐに実践できる内容をお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

KY活動(危険予知活動)とは?

KY活動とは、「危険(Kiken)」「予知(Yochi)」の頭文字をとった活動で、作業前に現場の危険を予測し、対策を立てて事故を未然に防ぐ取り組みです。

厚生労働省の調査によると、労働災害の約8割はヒューマンエラー(人間の不完全な行動)が原因とされています。特に建設業は労働災害の発生率が全産業の中で最も高く、KY活動による安全意識の向上が欠かせません。

KY活動の目的

  • 労働災害の未然防止:危険を事前に把握し、事故を防ぐ
  • 安全意識の向上:作業員一人ひとりの危険に対する感受性を高める
  • チームワークの強化:話し合いを通じて情報共有と連携を促進
  • 不安全行動の減少:「慣れ」や「油断」による事故を防止

KY活動とKYT(危険予知訓練)の違い

項目KY活動KYT(危険予知訓練)
目的実際の作業前に危険を予測し対策を立てる危険を予測する能力を高める訓練
実施タイミング毎日の作業開始前定期的な安全教育として実施
内容当日の作業に即した危険予知と対策イラストや事例を使った訓練

KY活動の進め方|基礎4ラウンド法

KY活動を効果的に進めるための標準的な手法が「基礎4ラウンド法」です。4つのステップを順番に進めることで、危険の発見から具体的な行動目標の設定まで、体系的に実施できます。

第1ラウンド:現状把握(どんな危険がひそんでいるか)

まず、現場に潜む危険を洗い出します。この段階では、できるだけ多くの危険を挙げることが重要です。

ポイント:

  • 参加者全員が発言できる雰囲気をつくる
  • 小さな危険も見逃さない
  • 「〜して〜になる」という形式で表現する
  • 他人の意見を否定しない

第2ラウンド:本質追求(これが危険のポイントだ)

第1ラウンドで挙げた危険の中から、特に重要な危険ポイントを絞り込みます

ポイント:

  • 発生の可能性と重大性を考慮して優先順位をつける
  • 多数決ではなく話し合いで決定する
  • 絞り込んだ項目に「◎」や「★」をつけて明示する

第3ラウンド:対策樹立(あなたならどうする)

絞り込んだ危険ポイントに対して、具体的な対策を立案します

ポイント:

  • 実行可能な対策を出す
  • できるだけ多くの対策案を出す
  • 「〜する」というアクションを伴う表現にする

第4ラウンド:目標設定(私たちはこうする)

対策の中から、チームで実行する行動目標を決定します

ポイント:

  • すぐに実行できる具体的な内容にする
  • 「〜しない」ではなく「〜する」という表現にする
  • 全員で指差し呼称を行い、意識を統一する

建設現場で使えるKY活動の例文

ここでは、建設現場の代表的な作業ごとに、KY活動の例文を紹介します。

足場作業のKY活動例文

ラウンド内容
第1R:危険の洗い出し・足場板が濡れていて、滑って転落する
・安全帯を使用せず、バランスを崩して墜落する
・足場板の固定が不十分で、板が外れて転落する
・工具を落として下の作業員に当たる
第2R:危険ポイント★安全帯を使用せず、バランスを崩して墜落する
第3R:対策・フルハーネス型安全帯を必ず着用する
・安全帯のフックは腰より高い位置にかける
・昇降時も必ず安全帯を使用する
第4R:行動目標「高所作業時はフルハーネスを着用し、フックを確実にかけてから作業を開始する」
→ 指差し呼称:「安全帯、ヨシ!」

重機作業のKY活動例文

ラウンド内容
第1R:危険の洗い出し・重機の死角に作業員がいて、接触する
・旋回時に周囲の作業員を巻き込む
・重機の転倒により作業員が下敷きになる
・バケットから土砂が落下して当たる
第2R:危険ポイント★重機の死角に作業員がいて、接触する
第3R:対策・誘導員を配置し、合図を確認してから動かす
・作業範囲をカラーコーンで区画する
・オペレーターと作業員で事前に合図を確認する
第4R:行動目標「重機を動かす前に必ず誘導員の合図を確認し、周囲の安全を確認してから操作する」
→ 指差し呼称:「周囲、ヨシ!」

電気工事のKY活動例文

ラウンド内容
第1R:危険の洗い出し・通電状態で作業して感電する
・絶縁手袋を着用せず感電する
・濡れた手で作業して感電する
・脚立上での作業中にバランスを崩して転落する
第2R:危険ポイント★通電状態で作業して感電する
第3R:対策・作業前に必ず検電器で通電確認を行う
・ブレーカーを切り、「作業中」の表示をする
・絶縁手袋・絶縁靴を着用する
第4R:行動目標「作業前に検電器で通電確認を行い、ブレーカーを切ってから作業を開始する」
→ 指差し呼称:「停電、ヨシ!」

玉掛け作業のKY活動例文

ラウンド内容
第1R:危険の洗い出し・ワイヤーが切れて荷が落下する
・吊り荷の下に入り、落下物に当たる
・荷振れにより作業員に激突する
・合図の確認不足で意図しない動作をする
第2R:危険ポイント★吊り荷の下に入り、落下物に当たる
第3R:対策・吊り荷の下には絶対に入らない
・吊り荷の移動経路を事前に確認する
・介錯ロープを使用して荷振れを防止する
第4R:行動目標「吊り荷の下には絶対に入らず、介錯ロープで荷振れを制御する」
→ 指差し呼称:「吊り荷の下、立入禁止、ヨシ!」

KY活動記録シートの書き方

KY活動の内容を記録するシート(KY活動表・安全ミーティング報告書)の書き方を解説します。

記録シートの基本項目

KY活動の記録は、作業日報施工計画書と連携して管理すると効果的です。

項目記入内容
日付・天候実施日、天候(晴・曇・雨など)
現場名・工区工事現場名、作業場所
作業内容当日の具体的な作業内容
参加者KY活動に参加した作業員の氏名
危険ポイント予測される危険(第1R・第2R)
対策危険に対する対策(第3R)
本日の目標チームの行動目標(第4R)
確認事項保護具着用、体調確認などのチェック項目

記入時のポイント

①具体的に書く

  • NG例:「高所作業」「ケガの恐れあり」
  • OK例:「3階足場上で資材を運搬中、足場板が濡れていて滑って転落する」

②実行可能な対策を書く

  • NG例:「気をつける」「注意する」
  • OK例:「作業前に足場板の状態を全員で確認し、滑り止めマットを敷設する」

③「〜する」という能動的な表現にする

  • NG例:「落下しないようにする」
  • OK例:「フルハーネスを着用し、フックを必ず親綱にかける」

記録シートの種類

記録シートには以下のタイプがあります。現場の状況に応じて選択しましょう。

タイプ特徴おすすめの現場
基本タイプ危険ポイント・対策・目標の記入欄のみ小規模現場、毎日のルーティン
チェック項目付き保護具・体調などの確認欄を追加多人数の現場、安全管理強化
リスクアセスメント付き発生可能性・重大性の評価欄を追加リスクの定量評価が必要な現場

KY活動を効果的に進めるコツ

マンネリ化を防ぐ工夫

KY活動は毎日行うため、形骸化しやすいという課題があります。以下の工夫で活性化を図りましょう。

  • ヒヤリハット事例を活用する:過去の「ヒヤリ」とした経験を共有し、議論のネタにする
  • テーマを変える:高所作業、重機作業、感電など、日替わりでテーマを設定
  • 発言者を交代する:毎回同じ人が進行するのではなく、持ち回りで担当
  • 写真や図を活用する:現場の写真やイラストを使って視覚的に危険を共有

1人KYの実践

1人KYとは、作業者が個人で行う危険予知活動です。作業開始前や作業内容が変わるタイミングで、短時間で実施します。

1人KYの手順:

  1. これから行う作業を確認する
  2. 「どんな危険があるか」を考える
  3. 「どう対策するか」を決める
  4. 指差し呼称で確認する

指差し呼称の徹底

KY活動の最後には、指差し呼称で行動目標を確認します。声に出して指差すことで、意識への定着率が高まり、ヒューマンエラーを防止できます。

指差し呼称の例:

  • 「安全帯、ヨシ!」
  • 「足元、ヨシ!」
  • 「周囲確認、ヨシ!」
  • 「ゼロ災でいこう、ヨシ!」

まとめ

本記事では、KY活動(危険予知活動)の進め方・例文・記録シートの書き方について解説しました。

KY活動のポイント(まとめ):

  • KY活動とは:作業前に危険を予測し、対策を立てて事故を未然に防ぐ活動
  • 基礎4ラウンド法:現状把握→本質追求→対策樹立→目標設定の4ステップで進める
  • 記録シートの書き方:具体的に、実行可能な対策を、「〜する」という能動的な表現で書く
  • マンネリ化防止:ヒヤリハット活用、テーマ変更、発言者交代で活性化
  • 指差し呼称:声に出して確認することで意識への定着率を高める

KY活動は形式的に行うのではなく、全員が主体的に参加し、継続することで効果を発揮します。日々の地道な取り組みが、現場の安全を守る基盤となります。

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