「積算って具体的に何をするの?」「見積もりとの違いがわからない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。積算は工事費用を正確に算出するための重要な業務であり、建設業の利益を左右する根幹となります。
本記事では、積算の基礎知識・見積との違い・計算方法について徹底解説します。積算と見積りの違いを正しく理解し、適正な工事価格の算出を目指しましょう。
積算とは?
積算(せきさん)とは、建設工事に必要な費用を、材料費・労務費・経費などの項目ごとに積み上げて算出する作業のことです。
設計図書(図面・仕様書)をもとに、工事に必要な数量を拾い出し、単価を掛け合わせて工事原価を算出します。建設業における価格決定の基礎となる重要な業務です。
積算の目的
積算を行う主な目的は以下の通りです。
- 工事原価の把握:工事にかかる費用を正確に算出する
- 見積価格の根拠作成:顧客に提示する見積書の基礎データとなる
- 予算管理の基準:実行予算を作成し、原価管理の基準とする
- 入札価格の算定:公共工事の入札において適正価格を算出する
- 利益確保:適正な利益を含めた価格設定を行う
積算業務の流れ
積算業務は一般的に以下の流れで進めます。
- ①図面の確認:設計図書を読み込み、工事内容を把握
- ②数量の拾い出し:材料・工種ごとに必要数量を算出
- ③単価の設定:材料単価・労務単価を設定
- ④金額の算出:数量 × 単価で各項目の金額を計算
- ⑤経費の計上:諸経費・一般管理費などを加算
- ⑥集計・チェック:全体を集計し、内容を確認
積算と見積の違い
「積算」と「見積」は混同されやすい言葉ですが、明確な違いがあります。
積算と見積の比較
| 項目 | 積算 | 見積 |
|---|---|---|
| 定義 | 工事原価を積み上げて算出する作業 | 顧客に提示する価格を算出する作業 |
| 目的 | 原価の把握 | 受注価格の決定 |
| 含まれる費用 | 直接工事費・間接工事費 | 積算価格+利益+値引きなど |
| 作成対象 | 社内資料 | 顧客向け資料(見積書) |
| 価格の性質 | 原価ベース | 販売価格ベース |
積算から見積への流れ
積算と見積の関係を数式で表すと、以下のようになります。
見積価格 = 積算価格(原価)+ 利益 ± 調整額
積算で算出した原価に、適正な利益を上乗せし、市場状況や競合状況を考慮して調整を行い、最終的な見積価格を決定します。
両者の関係性
積算は見積の「土台」となるものです。積算が正確でなければ、見積価格も適正にならず、以下のような問題が発生します。
- 積算が過小→ 見積価格が安くなり、赤字工事になるリスク
- 積算が過大→ 見積価格が高くなり、受注できないリスク
積算の計算方法
積算では、工事費を構成する各項目を積み上げて計算します。工事費の構成と計算方法を解説します。
工事費の構成
建設工事費は、大きく以下のように構成されます。
| 大分類 | 中分類 | 内容 |
|---|---|---|
| 直接工事費 | 材料費 | 工事に使用する材料の費用 |
| 労務費 | 作業員の人件費 | |
| 直接経費 | 機械経費、仮設材など | |
| 間接工事費 | 共通仮設費 | 現場事務所、安全設備など |
| 現場管理費 | 現場監督の人件費、通信費など | |
| 一般管理費等 | 一般管理費・利益 | 本社経費、利益 |
数量拾いの方法
積算の第一歩は「数量拾い」です。図面から必要な材料や工事の数量を算出します。
【数量拾いの例:コンクリート工事】
- 基礎コンクリート:幅0.5m × 高さ0.5m × 延長20m = 5.0㎥
- 土間コンクリート:10m × 8m × 厚さ0.15m = 12.0㎥
- 合計:17.0㎥
単価の設定方法
数量に掛け合わせる単価は、以下の方法で設定します。
①材料単価
- 仕入先からの見積価格
- 建設物価(月刊誌)の掲載単価
- 過去の実績単価
②労務単価
- 公共工事設計労務単価(国土交通省発表)
- 自社の実績労務単価
- 協力会社からの見積価格
歩掛を使った計算
労務費の計算には歩掛(ぶがかり)を使用します。歩掛とは、単位数量あたりに必要な作業員の人数や時間を示す係数です。
【歩掛を使った計算例】
- コンクリート打設:17.0㎥
- 歩掛:0.5人/㎥(1㎥あたり0.5人工必要)
- 必要人工:17.0㎥ × 0.5人/㎥ = 8.5人工
- 労務単価:25,000円/人工
- 労務費:8.5人工 × 25,000円 = 212,500円
諸経費の計算
直接工事費を算出したら、諸経費を加算します。諸経費は一般的に直接工事費に対する率(パーセント)で計算します。
| 経費項目 | 計算基準 | 一般的な率 |
|---|---|---|
| 共通仮設費 | 直接工事費 × 率 | 3〜8% |
| 現場管理費 | (直接工事費+共通仮設費)× 率 | 10〜20% |
| 一般管理費等 | 工事原価 × 率 | 8〜15% |
積算の種類
積算には目的や段階に応じて、いくつかの種類があります。
概算積算
設計の初期段階で行うおおまかな積算です。坪単価や過去の類似工事の実績をもとに、概算の工事費を算出します。
- 用途:予算計画、事業計画の検討
- 精度:±20〜30%程度
詳細積算
設計図書が完成した段階で行う詳細な積算です。すべての項目について数量を拾い、単価を設定して算出します。
- 用途:見積書作成、入札価格算定
- 精度:±5〜10%程度
実行予算積算
受注後に行う実際の施工に基づいた積算です。協力会社からの見積や実際の材料単価をもとに、工事原価を算出します。
- 用途:原価管理、利益管理
- 精度:±3〜5%程度
積算を効率化する方法
積算業務は時間がかかる作業です。効率化のポイントを紹介します。
①積算ソフトの活用
積算ソフトを活用することで、数量拾いや金額計算を効率化できます。CADデータからの自動拾い出しや、単価データベースの活用により、大幅な時間短縮が可能です。
②単価データベースの整備
よく使う材料や労務の単価をデータベース化しておくことで、毎回調べる手間を省けます。定期的に単価を更新することも重要です。
③テンプレートの活用
工種ごとの積算テンプレートを用意しておけば、項目の漏れを防ぎ、作業を標準化できます。
④過去データの蓄積
過去の工事の積算データや実績データを蓄積・分析することで、精度の高い積算が可能になります。
積算に関するよくある質問
Q1. 積算に必要な資格はある?
積算業務自体に必須の資格はありませんが、「建築積算士」「建築コスト管理士」などの資格があります。これらを取得することで、専門性を証明できます。
Q2. 積算の精度を上げるコツは?
①図面を丁寧に読み込む、②現場条件を考慮する、③過去の実績と比較することが重要です。また、複数人でのダブルチェックも有効です。
Q3. 公共工事と民間工事で積算方法は違う?
基本的な考え方は同じですが、公共工事は国土交通省の積算基準に従う必要があります。民間工事は各社独自の方法で積算することが多いです。
Q4. 積算と原価管理の関係は?
積算で算出した原価は、原価管理の基準(予算)となります。工事中は実際の発生原価と比較し、差異があれば分析・対策を行います。
まとめ
本記事では、積算の基礎知識・見積との違い・計算方法について解説しました。
積算のポイント(まとめ):
- 積算とは:工事に必要な費用を項目ごとに積み上げて算出する作業
- 見積との違い:積算は原価の算出、見積は販売価格の算出
- 計算方法:数量拾い→単価設定→金額算出→諸経費計上
- 効率化のポイント:積算ソフトの活用、単価データベースの整備
積算は建設業の利益を左右する重要な業務です。正確な積算を行い、適正な利益を確保できる価格設定を目指しましょう。
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