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施工管理に必要な資格一覧|取得のメリットと難易度を解説

「施工管理に必要な資格は何がある?」「資格を取るとどんなメリットがあるの?」「資格の難易度はどれくらい?」。施工管理の仕事に興味がある方や、キャリアアップを目指す方にとって、資格選びは重要な課題です。

施工管理に必要な資格一覧

施工管理の資格には施工管理技士を中心に、建築士や技術士など様々な種類があります。資格を取得することで、年収アップやキャリアアップ、転職での優位性など多くのメリットが得られます。

この記事では、施工管理に必要な資格一覧と、それぞれの取得メリット、難易度、勉強方法を詳しく解説します。自分に合った資格を見つけて、キャリアアップに活かしてください。

関連記事: 施工管理技士とは?資格の種類・難易度・年収を解説

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参考記事:CIC日本建設情報センター 「施工管理技士とは?資格7種類と難易度、受験資格まで解説!

施工管理技士とは

施工管理技士とは、建設工事現場において品質・工程・安全・原価を管理するために必要な国家資格です。

建設業法第26条により、建設現場には「主任技術者」や「監理技術者」の配置が義務付けられています。施工管理技士の資格を取得することで、この主任技術者や監理技術者として認められます。

1級と2級の違い

施工管理技士には1級2級があり、担当できる工事の規模が異なります。

区分なれる技術者担当できる工事
1級監理技術者・主任技術者規模の制限なし(大規模工事可)
2級主任技術者外注総額4,000万円未満(建築一式は6,000万円未満)

1級を取得すると、大規模な工事の監理技術者として活躍できるため、より責任のあるポジションを任されるようになります。

施工管理技士補とは

令和3年度の制度改正により、施工管理技士補という新しい称号が設けられました。第一次検定に合格すると「施工管理技士補」となり、第二次検定に合格すると「施工管理技士」となります。

施工管理技士補の資格があれば、監理技術者の補佐として大規模工事に携わることができます。

施工管理技士の資格一覧【7種類】

施工管理技士は工事の分野によって7種類に分かれています。それぞれの資格の特徴と難易度を紹介します。

1. 建築施工管理技士

建築施工管理技士は、ビル、マンション、住宅などの建築工事の施工管理を行うための資格です。大工工事、鉄筋工事、塗装工事など、建築物を建てるのに必要な様々な工程で活躍します。

【担当できる工事】

  • ビル、マンション、住宅などの建築工事
  • 大工工事、鉄筋工事、塗装工事
  • 内装工事、防水工事など

【合格率・難易度】

区分一次検定合格率二次検定合格率難易度
1級約36〜42%約43〜45%★★★★☆
2級約35〜50%約30〜35%★★★☆☆

2. 土木施工管理技士

土木施工管理技士は、道路、橋、トンネル、ダムなどの土木工事の施工管理を行うための資格です。インフラ整備に関わる重要な資格で、災害復旧の現場でも需要があります。

【担当できる工事】

  • 道路、橋、トンネルの建設
  • ダム、河川工事
  • 上下水道の整備など

【合格率・難易度】

区分一次検定合格率二次検定合格率難易度
1級約44〜50%約30〜35%★★★★☆
2級約50〜70%約35〜63%★★★☆☆

3. 電気工事施工管理技士

電気工事施工管理技士は、変電・送電設備、照明や配線などの電気設備工事の施工管理を行うための資格です。建物のあらゆる電気設備に関わる工事を担当します。

【担当できる工事】

  • 変電設備、送電設備の工事
  • 照明設備、配線工事
  • 電力引込工事など

【合格率・難易度】

区分一次検定合格率二次検定合格率難易度
1級約37〜41%約50〜60%★★★★☆
2級約50〜60%約50〜60%★★★☆☆

4. 管工事施工管理技士

管工事施工管理技士は、空調設備、ガス配管、ダクト工事、上下水道設備など、配管に関わる工事の施工管理を行うための資格です。

【担当できる工事】

  • 空調設備工事
  • ガス配管工事
  • 給排水設備工事
  • ダクト工事など

【合格率・難易度】

区分一次検定合格率二次検定合格率難易度
1級約35〜50%約50〜60%★★★★☆
2級約50〜60%約40〜50%★★★☆☆

5. 電気通信工事施工管理技士

電気通信工事施工管理技士は、インターネットや携帯電話回線などの通信関連工事の施工管理を行うための資格です。2019年に新設された比較的新しい資格です。

【担当できる工事】

  • 基地局の設置工事
  • LAN設備の新設
  • 電波障害の調査
  • 通信設備工事など

【合格率・難易度】

区分一次検定合格率二次検定合格率難易度
1級約40〜50%約30〜40%★★★★☆
2級約60〜70%約30〜40%★★★☆☆

6. 造園施工管理技士

造園施工管理技士は、公園や緑地、庭園などの造園工事の施工管理を行うための資格です。都市の緑化が進む中、需要が高まっている資格です。

【担当できる工事】

  • 公園、緑地の整備
  • 庭園の造成
  • 植栽工事など

【合格率・難易度】

区分一次検定合格率二次検定合格率難易度
1級約35〜45%約35〜45%★★★★★
2級約50〜60%約35〜45%★★★☆☆

※1級造園施工管理技士は、施工管理技士の中でも最も難易度が高いとされています。

7. 建設機械施工管理技士

建設機械施工管理技士は、ブルドーザーやショベルカーなど、建設機械を使う工事の施工管理を行うための資格です。

【担当できる工事】

  • 建設機械を使う土木工事
  • 造成工事
  • 舗装工事など

【合格率・難易度】

区分一次検定合格率二次検定合格率難易度
1級約25〜30%約60〜80%★★★★☆
2級約40〜50%約70〜85%★★★☆☆

施工管理技士の難易度ランキング

施工管理技士7種類の難易度を、合格率をもとにランキング形式でまとめました。

順位資格名1級難易度特徴
1位造園施工管理技士★★★★★受験者数が少なく、専門性が高い
2位建設機械施工管理技士★★★★☆一次検定の合格率が低い
3位建築施工管理技士★★★★☆受験者数が多く、範囲が広い
4位電気通信工事施工管理技士★★★★☆新設資格のため過去問が少ない
5位電気工事施工管理技士★★★★☆二次検定の合格率は比較的高い
6位管工事施工管理技士★★★★☆バランスの取れた難易度
7位土木施工管理技士★★★☆☆比較的合格率が高い

施工管理技士を取得するメリット

施工管理技士の資格を取得することで、様々なメリットが得られます。

施工管理技士を取得するメリット

1. 年収アップが期待できる

施工管理技士の資格を取得すると、多くの企業で資格手当が支給されます。

【資格手当の目安】

  • 1級施工管理技士:月額3万円〜5万円
  • 2級施工管理技士:月額5,000円〜3万円
  • 一時金(奨励金):10万円程度

月額5万円の資格手当があれば、年間で60万円の収入増加になります。

2. キャリアアップのチャンスが増える

資格を取得すると、大規模なプロジェクト公共工事で重要な役割を任されることが増えます。監理技術者や主任技術者として現場の責任者を務められるため、昇進・昇給のチャンスが広がります。

3. 転職で有利になる

建設業界では施工管理技士の需要が非常に高い状態が続いています。資格を持っていれば転職市場での価値が高まり、より条件の良い企業への転職が可能になります。

4. 企業にもメリットがある

施工管理技士の有資格者は、企業にとっても以下のようなメリットがあります。

  • 専任技術者として営業所に配置できる
  • 経営事項審査で加点される(1級:5点、2級:2点)
  • 公共工事の入札に必要な監理技術者を確保できる

そのため、有資格者は企業から重宝される存在となります。

施工管理技士の受験資格【令和6年度改正】

令和6年度(2024年度)から施工管理技士の受験資格が大幅に緩和されました。

参考記事:国土交通省:令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります

第一次検定の受験資格

【改正後】

  • 1級:19歳以上であれば誰でも受験可能(実務経験不要)
  • 2級:17歳以上であれば誰でも受験可能(実務経験不要)

これまでは学歴や実務経験が必要でしたが、改正により大幅に受験しやすくなりました。

第二次検定の受験資格

第二次検定を受験するには、第一次検定合格後に実務経験が必要です。

【1級の場合】

  • 1級一次検定合格後、実務経験5年以上
  • 2級二次検定合格後、実務経験5年以上
  • 2級二次検定合格後、1級一次検定合格で実務経験3年以上

※学歴に関わらず、実務経験年数が統一されました。

施工管理に役立つその他の資格

施工管理技士以外にも、キャリアアップに役立つ資格があります。

建築士(一級・二級)

建築士は、建築物の設計・工事監理を行うための国家資格です。施工管理と合わせて取得することで、設計から施工まで一貫して携わることができます。

資格合格率難易度特徴
一級建築士約10%★★★★★建設業界最難関の資格
二級建築士約20〜25%★★★★☆一般住宅の設計が可能

技術士(建設部門)

技術士は、科学技術に関する高度な知識と応用能力を持つ技術者に与えられる国家資格です。建設部門は21の技術部門の中でも特に需要が高く、建設コンサルタントや官公庁への就職に有利です。

項目内容
合格率約10〜15%(二次試験)
難易度★★★★★
特徴技術者として最高峰の資格

宅地建物取引士(宅建士)

宅建士は、不動産取引の専門家としての国家資格です。施工管理と合わせて取得することで、建設から不動産取引まで幅広い業務に対応できます。

項目内容
合格率約15〜18%
難易度★★★☆☆
特徴受験資格なし、実務経験不要

電気工事士(第一種・第二種)

電気工事士は、電気設備の工事を行うための国家資格です。電気工事施工管理技士と合わせて取得すると、現場での実務と施工管理の両方ができるようになります。

資格合格率難易度特徴
第一種電気工事士約40〜50%★★★☆☆大規模な電気工事が可能
第二種電気工事士約60〜70%★★☆☆☆一般住宅の電気工事が可能

施工管理技士の勉強方法

施工管理技士に合格するための勉強方法を紹介します。

必要な勉強時間の目安

資格勉強時間の目安期間の目安(1日2時間の場合)
1級施工管理技士500〜600時間約8〜10ヶ月
2級施工管理技士200〜300時間約3〜5ヶ月

効果的な勉強方法

1. 過去問を繰り返し解く

施工管理技士の試験は、過去問と似た問題が出題される傾向があります。過去5年分の問題を繰り返し解くことで、出題傾向を把握しましょう。

2. 基礎知識をしっかり定着させる

一次検定は四肢択一式ですが、過去問の丸暗記だけでは対応できません。基礎的な知識を理解した上で問題に取り組むことが重要です。

3. 記述問題の対策を行う

二次検定では経験記述が出題されます。自分の施工経験を具体的に記述できるよう、事前に練習しておきましょう。

4. 講座やスクールを活用する

独学が難しい場合は、資格講座通信教育を活用するのも効果的です。特に二次検定の経験記述は、添削を受けることで合格率が上がります。

資格取得の優先順位

どの資格から取得すべきか迷っている方に向けて、優先順位の考え方を紹介します。

まずは2級から取得する

施工管理技士を目指す場合は、まず2級の取得がおすすめです。2級を取得することで主任技術者として責任ある仕事に従事でき、実務経験を積みながら1級の受験勉強を進められます。

自分の専門分野に合った資格を選ぶ

施工管理技士は7種類ありますが、自分が携わる工事の分野に合った資格を選びましょう。建築工事なら建築施工管理技士、電気工事なら電気工事施工管理技士というように、専門分野を優先することが大切です。

求人で求められている資格を取得する

転職を視野に入れている場合は、求人票で必須・歓迎とされている資格を優先的に取得しましょう。需要のある資格を取得することで、市場価値を高めることができます。

まとめ

施工管理に必要な資格は、施工管理技士を中心に様々な種類があります。資格を取得することで、年収アップキャリアアップ転職での優位性など多くのメリットが得られます。

施工管理技士7種類:

  1. 建築施工管理技士:ビル、マンション、住宅の建築工事
  2. 土木施工管理技士:道路、橋、トンネルの土木工事
  3. 電気工事施工管理技士:電気設備工事
  4. 管工事施工管理技士:空調・配管工事
  5. 電気通信工事施工管理技士:通信設備工事
  6. 造園施工管理技士:公園・緑地の造園工事
  7. 建設機械施工管理技士:建設機械を使う工事

令和6年度から受験資格が緩和され、より取得しやすくなりました。まずは2級から取得し、実務経験を積みながら1級を目指すのがおすすめです。

自分のキャリアプランに合った資格を選んで、計画的に取得を目指しましょう。

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