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見積書の諸経費の相場は何パーセント?書き方や内訳を解説。

【記載例あり】見積書の諸経費の相場は何パーセント?書き方や内訳を解説。

建設業や建築工事で使用する見積書には、工事にかかる直接費用だけでなく、「諸経費」を正しく計上することが必要です。諸経費は、現場管理費や一般管理費などを指し、工事全体のコストを正確に把握するために欠かせない要素です。本記事では、諸経費の内訳や計算方法、見積書への記載例を解説します。相場や注意点も詳しく説明するので、見積書作成の参考にしてください。


[1] 工事見積書における諸経費とは

工事見積書に記載がある「諸経費」の意味を解説します。

諸経費とは?

諸経費とは、受注案件と直接関わりがある項目ではないものの、案件の施工を完了するために必要な費用を指します。案件全体にかかる費用の、5~10%程度が相場といわれています。

[2] 工事見積書の諸経費とは?

それでは、工事見積書の諸経費について、概要や工事費との違いを見てみましょう。

工事における諸経費とは

工事における諸経費とは、現場運営や現場管理にかかる費用を指します。内訳は大きく分けて、以下の通り現場経費一般管理費の2つに分けられます。

現場経費の例

現場経費は、現場を運営するための費用です。具体的な明細には以下のようなものがあります。

項目具体的な内容
労務管理費打ち合わせ費用、作業着のクリーニング代など
従業員給料手当現場従業員の給与や交通費、賞与など
保険料工事保険、火災保険、労災保険など
法定福利費現場従業員の雇用保険・健康保険などの会社負担分
事務用品費ファイルや鉛筆など現場で使用される事務用品の費用
施工図作成費施工図面の外注費用
機材損料建設機材の管理や修理の費用
通信交通費通信料金、ガソリン代、駐車場代など
補償費現場で発生する騒音や振動に対する補償の費用
近隣対策費現場の囲いやカラーコーンの費用
地代家賃現場事務所の地代など
税公課契約書の印紙代、官公庁の手続き費用など

一般管理費の例

一般管理費は会社を運営するための費用です。具体的な明細は以下のようなものがあります。

項目具体的な内容
労務費現場を除く従業員の給与や手当
法定福利費現場を除く従業員の労災保険料・雇用保険料
福利厚生費本店・支店従業員のレクリエーションや福利厚生パッケージの費用
事務所家賃事務所の家賃
広告宣伝費宣伝や広告の費用
動力用水光熱費現場を除く会社事務所の電気・水道・ガスの費用
減価償却費所有する建物や機材、車両などの減価償却費
租税公課固定資産税や道路占有料など
雑費その他費用

工事費との違い

諸経費は、工事にかかった金額のうち工事費以外の費用を指します。

[3] 諸経費の工事見積書への記載方法

工事見積書に諸経費を記載するためには、どのようにすれば良いかを解説します。

内訳を記載する場合

諸経費の見積書への書き方は、明確な定めはありません。諸経費は以下のように、内訳を記載すると内容が明確になり、トラブルの防止に繋がります。

名称摘要金額
諸経費
建設資材費〇〇円
人件費〇〇円
保険料〇〇円
税金〇〇円
手数料〇〇円
その他〇〇円
小計〇〇円

内訳を記載しない場合

ただし、見積書に諸経費の内訳を記載するのはどちらかといえば稀で、諸経費は「諸経費 1式 〇〇円」のように、内訳は書かずに総額のみを記載するのが一般的です。

諸経費を総額のみの記載とすると、内容が不透明であるうえ金額も小さくないため、顧客が疑問を持つこともあります。総額のみの記載とする場合には、もし顧客から諸経費の内訳について質問されたら明確に答えられるよう、諸経費の内容についてしっかり把握しておきましょう。

[4] 工事見積書に記載する諸経費の相場

工事見積書に記載する諸経費の相場を解説します。

諸経費の相場は全体の費用の5~10%が目安

諸経費の相場は、工事全体の5~10%が目安といわれています。たとえば、1,000万円の工事なら、諸経費の相場は50~100万円になるということです。

ただし、この割合は必ずしも画一的に決まったものではありません。業界や企業によってさまざまで、15%や20%、あるいは30%であるケースもあります。

諸経費の削減を求められたらどうする?

顧客によっては、諸経費は安い方がいいと考え、諸経費の削減や値引きを要求してくることもあります。しかし、諸経費は安ければいいわけではありません。

諸経費に含まれる現場経費は、現場の安全性の確保や工期の順守、近隣トラブルの回避などのために、また一般管理費は会社の経営を維持するために、不可欠な費用です。そのため、諸経費が安すぎれば、現場でのトラブル回避や経営の維持に充当できる資金が不足し、現場の施工もままならなくなってしまう可能性があります。

工事の見積もりにあたっては、諸経費の内訳や割合に疑問を持った顧客に対して、ていねいに説明し、納得してもらうことが重要です。


[5] まとめ

諸経費は、建設業の見積書作成において重要な要素です。内訳や計算方法を正確に把握し、適切に記載することで、透明性のある見積書を作成できます。また、諸経費の相場を理解し、適切な割合を適用することで、発注者との信頼関係を築くことが可能です。

本記事を参考に、諸経費を正確に計上し、適切な見積書を作成してください。

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