お役立ちコラム

施主検査

施主検査とは?引き渡し前に知っておきたい建築現場の流れと注意点

新築やリフォーム工事が一通り完了したら、施主検査と呼ばれる最終確認のステップが待っています。これは**施主(建築主)**が引き渡し前に施工内容を実際に自分の目でチェックする重要な機会です。ここで問題が見つかった場合は、手直しや補修を施主側から請求できるため、後々のトラブルを防ぐためにも大切な工程と言えるでしょう。
本記事では、施主検査 と は具体的に何を指すのか、工事工程表との関係や、検査時に押さえておきたいポイント・注意点をわかりやすく解説します。新築工事工程表のどのタイミングで施主検査が行われるのか、事前の準備はどうすれば良いのかなど、これから家づくりをする方や現場に携わる方が知っておくべき情報をまとめました。

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参考記事(外部サイト): 新築住宅の施主検査で起こるトラブル5選!回避方法と検査チェックポイントを解説

施主検査とは

施主検査の基本的な定義

施主検査は、建物が完成(または完成間近)した段階で、発注者である施主が施工内容を自ら確認・点検する手続きのことを指します。戸建て住宅やマンションリフォームなど、住宅全般において行われる検査ですが、特に新築工事ではこの検査がひときわ重要な意味を持ちます。
一般的に、施主検査の後に不具合や気になる点が見つかった場合は、引き渡し前に施工業者が手直しや補修を行い、施主が納得した段階で最終的に引き渡しとなります。施主検査は言わば、**「建物を受け取る前の最終チェック」**というわけです。

施主検査の目的

  1. 施工品質の最終確認
    仕上がりにキズや汚れ、部材の欠陥などがないかを施主の目で確認できます。
  2. 手直し箇所の洗い出し
    不具合や気になる箇所をリストアップし、引き渡しまでに直してもらうことが可能です。
  3. 契約内容との整合性確認
    設計図や仕様書どおりに作られているか、オプション工事や変更点が正しく反映されているかをチェック。

新築 工事 工程 表との関係

新築工事における一般的な流れ

新築 工事 工程 表は、大まかに以下のようなステップで進みます。

  1. 着工前準備
    設計・見積もり・契約締結など。
  2. 地盤調査・基礎工事
    地盤改良や基礎(コンクリート打設)を行う工程。
  3. 躯体工事(建て方)
    柱や梁を組み立て、屋根まで仕上げる骨組みの工程。
  4. 外装・内装工事
    外壁や屋根の仕上げ、内装の下地や仕上げ作業。電気配線や給排水設備も同時進行。
  5. 設備機器の取り付け
    キッチンやユニットバス、トイレなどの設備を設置し、最終仕上げへ。
  6. 完成検査
    建築基準法に基づく役所検査や、施工業者の社内検査などを実施。
  7. 施主検査ここが重要
    施主が実際に建物を確認し、手直しや補修を施工業者に依頼。
  8. 引き渡し
    手直し完了後、施主が納得した段階で鍵を受け取り、建物を引き渡し。

施主検査のタイミング

通常は、ほぼ完成した状態で行われますが、まだ養生シートが一部残っていたり、細かい仕上げ作業が終わっていない場合もあるため、細部まで見えにくいことがあるのが難点です。
理想としては内装や設備工事も含めてほぼ100%完了したタイミングで施主検査を行い、気になるところを指摘できるようにしてもらうのがベストと言えます。

施主検査の流れ

1. 検査前の案内・準備

施工業者(工務店やハウスメーカー)から、施主検査の日程を事前に連絡してもらい、施主が都合をつけて現場に赴きます。可能であれば、設計担当者や現場監督も同席すると良いでしょう。
また、検査の際に使うチェックリストを事前に用意しておくと、効率よく確認できます。例えば、インターネット上にあるテンプレートや、ハウスメーカーが配布している項目表などを参考にすると便利です。

2. 現場の案内・確認作業

施主検査が始まったら、施工業者や現場監督の案内に従いつつ、建物の各部をチェックします。主に以下のポイントを重点的に見ると良いでしょう。

  • 外装・屋根
    外壁や屋根材にヒビや傷がないか、塗装のムラなどがないかを確認。
  • サッシ・ドア
    開閉に異常がないか、鍵の施錠がスムーズか、レール部分のガタつきなども要チェック。
  • 床・壁・天井の仕上げ
    キズや汚れ、凹凸、不均一なクロス貼りなどがないかを細かく観察。
  • 設備機器(キッチン・浴室・トイレ・洗面台など)
    水漏れや排水不良、扉や引き出しの開閉、鏡の歪みなどを確認。
  • 電気・給排水設備
    スイッチやコンセントの位置、点灯確認、水の出具合や水圧など。
  • 収納・引き戸
    クローゼットや押し入れの扉の開閉状態、内部の棚の強度なども見逃しがちなので要注意。

3. 不具合の指摘と記録

不具合や気になる部分を見つけたら、その場で施工業者に伝え、可能であれば写真やメモで残します。後から「言った言わない」のトラブルにならないよう、不具合リストを作っておくのが望ましいです。
施工業者は、そのリストをもとに手直し計画を立案し、完了時期などを施主と相談して決定します。

4. 再検査(必要に応じて)

見つかった不具合の修正が終わったら、施主が再度現場を訪れ、最終的に納得できるかをチェックします。大幅な補修や設備の交換が必要な場合は時間がかかるため、引き渡し日程がずれ込む可能性もあります。

施主検査での注意点

1. 時間的余裕を持って検査を行う

施主検査は短時間で済むわけではなく、念入りにチェックすれば1〜2時間以上かかることもあります。焦って一通り見ただけで終わると、細かい部分の見落としが発生するので、半日程度のスケジュールを確保しておくのがおすすめです。

2. メジャーや懐中電灯、カメラを用意

壁や床の寸法を測りたい場合や、暗い場所を覗きたいときにはメジャーや懐中電灯があると便利です。また、気になる箇所はスマートフォンのカメラで撮影しておくと、後から確認する際に役立ちます。

3. 動作確認を怠らない

ドアや窓の開閉、設備機器のスイッチや水栓金具など、実際に動かしてみないと分からない不具合も多いもの。気になる箇所は「触ってみる」「動かしてみる」を基本に、実際の使用感をチェックしてください。

4. 第三者の意見を取り入れる

自分だけで判断が難しい場合、建築士やホームインスペクターなど第三者の専門家に同行を依頼するケースもあります。費用はかかりますが、専門的な知識で不具合や欠陥を見抜いてもらえるメリットがあります。

トラブル防止のためのポイント

1. 契約内容や仕様書の再確認

施主検査の前に、契約書や仕様書、変更契約書を見返しておきましょう。壁紙や床材、設備の型番など、約束した通りのものが使われているかを確認するには、元の書類との照合が欠かせません。

2. 追加・変更工事の履歴を把握

工事途中で追加や変更があった場合は、どのような内容で、いつ合意したのか、書面で証拠を残しておくことが重要です。変更内容が施主検査時に反映されているか、書面と現場を付き合わせて確認します。

3. 引き渡し後の保証・アフターサービス

新築物件であれば、構造躯体や防水に関する瑕疵(かし)担保責任が10年保証となるケースが多いです。引き渡し後に問題が見つかった場合、どのような保証制度が適用されるのか、施工業者にあらかじめ確認しておきましょう。

まとめ

施主検査は、新築工事における**「建物引き渡し前の最終チェック」**として非常に重要な工程です。施主検査 とは施工品質や仕上がりを施主の目で直接確認し、不具合や納得できない点があれば手直しを要求できる場面と言えます。

  • 新築工事工程表の終盤、完成検査や社内検査を経たあとに施主検査が行われることが一般的
  • チェックリストを準備し、時間的余裕を持って細部まで確認するのがポイント
  • 発見した不具合は写真やメモで記録し、再検査で修正状況を確認
  • 契約内容や追加工事との整合性、保証やアフターサービスの範囲もしっかり把握

施主検査を丁寧に行うことで、引き渡し後のトラブルリスクを大幅に減らし、納得のいく新居を手に入れることができます。大切な家の品質を守るためにも、ぜひ本記事を参考に、落ち着いて確実なチェックを行ってください。

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